FEATURE-INTERVIEW

YASUSHI IDE

インタヴュー:河村祐介

── ここまで長年の間、情熱を持って音楽に関われていて、いまは〈Grand Gallery〉のプロデューサーというのがひとつイメージとしてあると思うのですが、自分のような20代の人間からすると、調べれば調べるほど、ミュート・ビートやいとうせいこうさん、さらにはオリジナル・ラヴや小沢健二さんなど井出さんが関われた過去の仕事にも驚くばかりです。そもそもこのような仕事をするようになったきっかけっというのはなんでしょうか?

井出東京のシーンに、パンクとかニューウェイヴがあった頃からだから……25歳のときにはいとう(せいこう)くんと会社を興してて、そこに藤原ヒロシくんもいて、すでにタイニー・パンクスだったから。その前に〈第三倉庫〉が新宿の花園神社のところにあったときにはDJをやってたから。音楽はやっぱりずっと好きで、その流れのなかでいろいろ仕事を頼まれたりするのがあって。きっかけが“コレ”というのはなくて。それで30歳前にはオリジナル・ラヴの会社を作ってたりで、そういう流れがずっとあった気がします。





── シーンに30年近く関わり続けているわけですが、そのなかで培ったさまざまな経験をふまえて運営するレーベルというか、〈Grand Gallery〉がある種の集大成みたいな感覚ってあったりはするんですか?

井出いや、集大成というのは考えたことがないというか。あと過去のことにはあまり興味がないというか。本当、酒呑んだりするときに、話としておもしろいエピソードってあるじゃないですか(笑)。そういう話としては過去の話はあるけど、そういう集大成みたいなことはまったくなくて。未完成な感じで、まだまだ全然できてないなと思ってて。





── 走り続けていると。

井出なるべく体力と気力がちゃんとあるうちは、やっぱりやりたいと思うことはいっぱいあるし。今回の企画も「5周年で50人出演者がいたらおもしろいよね?」というリキッドルームさんとの話ではじまって。





── では、その7月23日のイヴェントなんですが、やはり目玉のひとつとして一番、目に入ってくるのは、メンバーが全員豪華な金原さんのバンドなんですけど。

井出実は前にリキッドルームさんで、このバンドをやってからやれてないんですよ。参加しているメンツが多忙なので……歌手を入れると20人くらいになるのでリハも1回しかできないんですよ(笑)。





── それでは井出さんのほうから全体の見所を。

井出もともとはDJの方だけで組んでたんですけど、金原さんのバンドを出したほうが良いっていうのを言われてて、それだけだとバンドがひとつだとなと思って。5月がNORIさんの50歳の誕生日で、この前の花田(裕之)さんも50歳の誕生日が6月にリキッドルームであって、それで僕も今度のイヴェントで50歳で、そんなみんなが出るのが7月のうちのイヴェントにしようというのがあって。そこをひとつ基本にいれて、あとはなかなか見れないDJの数珠つなぎみたいな場面が、何個かあったら1階も2階も行き交ってなかなか楽しいんじゃないかなと思ってて。そこにTICAとナチュラル・カラミティとかバンド音楽が3つくらいクッションとして入っていたら良いのかなと。





── このメンツが一堂に会して同じ場所でやるということ自体が貴重ですよね。

井出出演されるアーティストの方に関しては、ひとりひとりに対して私からメールでお願いして、受けていただいたんですが「他の人は誰が出るんですか?」というのを訊かれないので、イヴェントの概要を発表したときに同じく出演者のみなさんにもお知らせしたので。





── もしかしたらびっくりしてる人もいるかもと(笑)。

井出でも、そういうことになったほうが楽しいですよね。そう、楽しく、みんなで過ごせたら良いかなと。お客さんの層も世代を超えておもしろいと思うので。DJの方でリリースのツアーなんかが重なってると出演できない方もいて、なかにはギリギリの飛行機まで調べてくれた人もいて。みなさんもびさびさに会う人もいると思うから楽しいんじゃないですかね。あと、きっとDJのひとたちもルースターズを好きだった人もいると思うんですけど、なかなか行く機会がなかったりするから、(花田さんのバンドを)観たら興奮するんじゃないですかね(笑)。メインのところにうちのアーティストだけが出てるのがおもしろいってわけじゃないようにしてて。





── タイムテーブルが大変ですよね!

井出1回組んだんですけど、メールを見直したら「何時までNG」とか「何時からOK」とかそういうのがあって、そのメールを見たらダメな部分があって、ひとつ直すと音楽的な要素で繋いでる部分もあるから全体的にダメになったり。時刻表を作ってるような感覚ですよ(笑)。





── なんか壮大なミックスCDを作ってる感覚ですよね。

井出大変ですね。例えば50人いるから、単純に考えてもし1人2分押しただけで100分なんですよ。だから「押しちゃダメ!」というのは言っておかないと! 





── レーベルの展望はありますか?

井出まず制作に関しては日本人のアーティストをもっと出していきたいと思っていますね。割と自分と同じくらい世代の作品を出せてきたので、さらの下の世代とか、そのさらにまた下の世代とかも無理がない感じで出して行きたいなと思ってて、そうやって広がって行ければどんどん浸透していくとも思うので。つぶれないように。好きなことだけをやってるし、やっぱりこういうレーベルはどんどん出さないとレーベルじゃない感じがするので。





── そこはもうガンガンとやっていくと。

井出ガンガンでもないですよ。月に2~3枚です。





── いや、でもこの人数の規模でそれはすごいですよ。

井出今日も自分で受注書書いてましたよ(笑)。







井出 靖

80年代、ヤン富田、高木完、MUTE BEAT、いとうせいこうなどとともに、現在のシーンを形成する音楽的動勢につねに深く関わってきたプロデューサー/アーティスト。90年代には、ORIGINAL LOVE、小沢健二らのデビューを助力。BONNIE PINK、クレモンティーヌの他、最近では、金原千恵子などのプロデュースを手掛けている。現在のクラブ・シーンにおいても、FANTASTIC PLASTIC MACHINE、KYOTO JAZZ MASSIVE、MONDO GROSSO等と並んで、シーンを支え盛り上げてきたひとりといえる。





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Grand Gallery / monaco / TARTOWN
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旅をテーマに、ヴィンテージものから国内外のセレクト、オリジナルも手掛けている、衣類、小物を中心とした2F〈monaco〉。写真集、ポスター、ヴィンテージTシャツなどカルチャーを中心とした3F〈TARTOWN〉。レーベル〈Grand Gallery〉関連の全レーベルの商品を全タイトル取り揃え、また独自のセレクトCDも扱う4F〈Grand Gallery〉。すべてレーベル・イメージと連動するショップ展開で一貫したテーマが楽しめる。渋谷東急ハンズ前、井の頭通り口の目の前、1Fがサムラートのビルの2Fより上です!
http://www.grandgallery.jp/





07.23.FRI
GRAND GALLERY 5th ANNIVERSARY PARTY
冒頭にもある〈Grand Gallery〉5周年イヴェント。50名のDJ陣と金原千恵子や花田裕之を中心にしたバンド陣などが送る豪華メンツのパーティ。
OPEN / START:18:00 / 18:30
ADV / DOOR:¥3,000(税込・ドリンクチャージ別)
豪華メンツは書ききれないので公演詳細はコチラへ。