DJ DYE (THA BLUE HERB)
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- 『!K7 Flavor Mix』(2002年)
- FUNKSTÖRUNG
── こちらは、またある意味でブレイクビーツ的な方向だと思うんですが。
ダイこの時期、エレクトロニカとかを聴きはじめた時期で、それこそオウティカとかデラロザ&アゾーラ(プレフューズ73の別名儀)とか……。
── プッシュ・ボタン・オブジェクツとかですか。
ダイいや、それはちょっと後かな。それよりも、このファンクストラングのミックスを聴いて、ゲスコムとかを知ったというか。この1枚が、とにかく格好よすぎるんですよ。ジェルーの“Come Clean”が入ってたり、マッシヴ(アタック)の“Tear Drop”をブレンドしたヤツを入ってたり。
── 彼らのルーツになったようなヒップホップも入りつつ、この時の最新のビーツの感じもばっちり入ってるというか。
ダイそう。だからコレを機にエレクトロニカにはまったと言っても良いぐらいのめり込んでいったという感じですね。2000年から札幌でブレイクビーツとかを主体にしたパーティをやろうと思って……そういうパーティがなかったから、ジュン・ゴールドと「Shop」というパーティーをはじめました。エレクトロニカにジュン・ゴールドがものすごいのめり込み方をしてて。その影響もあり、すごいいろいろ聴いていました。
── 2000年代前半は、エレクトロニカとかを追ってたと。
ダイやっぱり硬質なビートとかが好きなので……。あとは驚きが大きかったというか。アモン・トビンもそうだし、この頃のエレクトロニカのビートの解釈とかも興味深かったですね。いま聴いてもこのミックスはいけると思いますね。ビョークのリミックスとかファンクストラングの自分たちのヒット曲とか、おいしいところも随所に入れていて。
── ヒップホップからこの手の音に行く人も増えた時期だったと思うんですが。
ダイケンセイさんとか。なんか、そのビートそのものとか、音楽性そのものとか、あとは実験的なものが好きだったりというDJとかがシフトして来た時期なのかなぁと。エレクトロニカ全盛期とか、本当に買い漁ってましたね。あ、あとこれよりちょっと前になるけど、シャドウとかも入れとけば良かったな……ファーストとかもすごい聴いてたんだよな。クラッシュさんの『ストリクトリー・ターンテーブライズド』とかもすごい聴いてた。
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- “The Bells(Kat Moda EP収録)”(1996年)
- JEFF MILLS
── 次はビートがテクノになりますね。ジェフ・ミルズの90年代のヒット曲。
ダイ〈プレシャス・ホール〉で〈リンク〉っていうテクノのパーティがあって。エレクトロニカにはまってた時期に、そのパーティをやってた人が遊びに来てくれてて、「DJを一緒にやらないか」と、誘ってくれて。でも「テクノとか持ってないんですけど、良いんですか?」みたいな(笑)。「いまのままで良いから」って言われて。そうやってやっていって、テクノで遊ぶというのをそこで憶えていきました。そのときにかかってたヤツで、一番最初に気になって印象深かったのがこの曲。もちろん“Jaguar”とかも当時かかってたんですけど。
── このあたりからテクノも買いはじめたと。
ダイテクノDJの気持ち良さだったり、ターンテーブルを3台使うとか、それがすごいDJとしてクリエイティヴだなと思いはじめて。2台でミックスしながら、もう1台で次の曲を用意してという感覚だったり、ミニマルのちょっとしたズレを楽しむ感覚とか、あとはじらしてじらして、ドカンと爆発させる時間軸の作り方とか。DJのクリエティヴィティ。同じ曲をかけても、被せ方とか、合わせ方とかの違いでずいぶんと印象が変わるんだなっていうのを知りました。次の1枚もそうなんですけど。
── まさに、当時のその限界に挑戦という感じですよね。
ダイそうそう。
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- 『Decks, EFX&909』(1999年)
- RICHIE HAWTIN
── リリース時期を考えると、テクノの楽しさを知ってから、また掘り返してみて聴いたという感じですかね。
ダイこれは、一緒にDJしてたテクノDJの人が誕生日プレゼントにくれて。「絶対好きだと思うから、聴いた方が良いと思う」ってくれたら、そのまますごい聴いていて、いまだに聴き続けている一枚です。
── モノトーンな音でどれだけ変化させるかみたいなところですよね。
ダイシンプルなんだけど、その合わせ方とかズレとか、じわじわ展開を作って行く流れとか、シンプルなんだけど複雑というか。複雑なことをやっていそうでやってなかったり……。それでオリジナリティが出せるんだなっていう感覚を知ったという感じですね。他にもこういうものっていっぱいあるんですけど、なかでもすごい聴いてるのはコレですね。普段ミックスCDを聴くことはすごい多いんですけど、移動中とか。ほとんど人のミックスばっかり聴いています。
── 体感したDJで一番好きなのは?
ダイ一杯いるからなぁ……最近で、ぱっと出てくるのはクリス・リービングとか。一緒にDJやったんだけど、PC2台使ってミックスしてて。硬質で太いんだけど、新しいというか。ライヴ感もあるし。もうなにやってるかわからないんだけど、すごいグルーヴ感も良かったし。デリック・メイとかもすごい好きです。
── もう、これを聴いてた2000年代の中ごろはテクノの楽しみをどんどん吸収していたと。
ダイああ、もう夢中ですね。いまだに夢中ですけど。おもしろいですね。
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- 『Mirrored』(2007年)
- THE BATTLES
── 最後はバトルズ。唯一のバンドものという感じですが。
ダイいままでの流れを見ればわかると思うんですが、そこまでバンドのものにはまった経験は少なかったんですけど、ちょっとこのアルバムはすごかったな。「Tonto」って、フォー・テットとかがリミックスしてる盤を最初に買って、それからオリジナルを買って聴いたら「すごい!」ってなって。打ち込みにはない、ダイナミズムというか「ここにスネアを打ちますか」とか、ビートの感覚がおもしろかったですね。本当、打ち込みに疲れた頭をぶっ飛ばしてくれるというか。スコンと抜けている。すごい好み。
── 無理くりですが、ひとつ統一感があるとすると『カフェ・デル・マー』はちょっと違いますが、“かっこいいビート”というのは共通の感覚という感じはしますね。
ダイそうですね。そうとう好きですね。ベースラインとかも、ビート感とかそういうものが好きですね。
── 全体総じて、あまり“歌”っていう聴き方はしてないのかなと。
ダイアハハ(笑)。たしかにね。ラップも、歌物も大好きなんですけど、パっと上げるとこうなっちゃう。
── 無意識に軸足がビートにある感じなんでしょうね。
ダイそこが、DJに興味を持った理由かもしれないですし。はじめはラップばっかり聴いてたんですけどね。ヒップホップ、R&Bばっかりだったんですけど、こう見るとすごい流れですね……。もちろん、間に抜けてる盤も、沢山あるんですけどね。
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── ということで、最後にリキッド・ロフトで6月17日からはじまるレギュラー・パーティの〈PEEP〉について聴きたいんですけど。東京でレギュラー・パーティをやるのって初ですよね?
ダイ初です。
── 〈PEEP〉のタイトルとかテーマに関して改めてダイさんの口から説明いただければと思うんですけど。
ダイもともとは、信号音とか出現する、のぞき見るという意味で、大きく言うとDJの心をのぞき見るという感覚です。ヒップホップ的なスラングで“PEEPS”にすると、仲間とかそういう意味になるんですね。DJの数をそこまで増やす感じじゃなくて、長いスパンのプレイタイムで一晩を作れたらなと思って。ダンスをテーマに、DJが何人もいて1時間交替というようなパーティが比較的数は多いと思うんですけど、2人とか3人とか長い時間軸でお互い刺激しあえて、おもしろいグルーヴが生まれれば楽しいかなと思って。
── 第1回目はKATSUYAさんで、ディープ・ハウス・シーンのベテランという感じなんですが、共演は初?
ダイはじめてですね。はじめてやるパーティの1発目としては、そういう変化を楽しんでもおもしろいかなと思って。僕も楽しみ。ちょっと新しい刺激というか……どう変化するのか興味があったので、1回目に挑戦じゃないですけど、ベテランの方とやってみたいなと。もちろんお名前は昔から知っている方だったので、こういう機会に長いセットで交わるというのは、どういう風に流れが変化していくのかなと興味がありますね。
── いまはブルー・ハーブは落ち着いたところだと思うんですが、今後、ダイさん個人のその他に予定は?
ダイ8月頃にオフィシャルのミックスCDのリリースを予定しています。
DJ DYEのLIQUID LOFTでのニュー・レギュラー・パーティ!
PEEP
6.17.FRI
-LIQUID LOFT-
■DJ : DJ DYE(THA BLUE HERB) , KATSUYA(Nature Soul)
パーティ概要はコチラから。
DJ DYE(THA BLUE HERB)
1999年よりTHA BLUE HERBにLIVE DJとして加入。以後THA BLUE HERBの看板を掲げ全国47都道府県を回り、様々なアーティストと共演を重ねる。LIVEにおいてラッパーILL-BOSSTINOの言葉を最良の状態 でオーディエンスに届けるために彼が保つ音のバランスは、時に遠くの背景の様であり、またある時は言葉を飲み込まんとするが如く荒れ狂い、飲み込まれまい とする言葉とのぶつかり合いから産まれる情景はまさに泥沼の中に立つラッパーそのものの姿をあぶり出す。選りすぐったビートとエフェクト、必殺の抜きと刺 しを持つ青の旅団の片割れ。同時に自由な好奇心はDJプレイにも反映されあらゆるジャンルを横断し、2005年にMIX CD「TIGHT 9」を発表。2008年には、四季の移り変わりを題材としたMIX CDシリーズ「SEASONAL BEST」を1年に渡り計4作品発表。2009年、MIX CD「JAPADAPTA」を発表。現在は札幌PRECIOUS HALLにて「LAIDE」に参戦、そして札幌club JADEにて、自らJUN-GOLD(TBHR)と共にマンスリーイベント「Shop」を主宰。
http://tbhr.co.jp






ダイこれもそれこそ、フランソワさんがかけてて、はじめてフロアで聴いたときはアゴはずれそうになりましたね。衝撃的な1枚。踊れるし、メッセージもすごいあるし、グルーヴ感がすごいなと思って。これはもう破壊力抜群って感じですね。
── ちなみに、ドラムンベースもそれこそ90年代後半とか2000年前後って盛り上がってましたけど、ダイさん自体は、どうだったんですか?
ダイ札幌自体に、そういうドラムンベースのシーンが一時期はあったんですけど、根付いていないというか。いまもパーティはあるのかもしれないですけど、なんて言ったらいいかな……。
── ヒップホップやハウス/テクノみたいな規模で根付いてないと。
ダイそうですね。根付いてないというか、いくつもパーティがあって選べるほど発展していない。例えば東京でこのシーンが盛り上がっている時期って「勢いのあるシーンがあるんだろうな」って思ってたけど、その時期に身の回りにそういうDJがいなかったのも、触れ合う機会がなかった理由かも。でも、ロンドンでドラムンベースを聴いたときはすごいかっこいいと思った。クラストは〈フジロック〉で観たんですけど、本当にかっこ良くて。
── ブルー・ハーブで出演していた年ですよね。
ダイそう、はじめて出た年で、クラストの後はランDMCがやってて。ブルー・ハーブに入ったのは1999年の12月からだったんで。
── ということは98年くらいにはDJはクラブなんかでやってたんですね。
ダイそうですね。やっていましたね。