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STRUGGLE

『STRUGGLE』

MO'SOME TONEBENDER

[label: TRIAD / COLUMBIA/2010]

突き抜けた力強さを持つ、ひさびさの新作

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文:渡邉祐子

作品ごとにつねに未開のフィールドへと足を踏み入れ続けるバンドがその歩に行き詰まり、解散を意識しながらも“SCLAP & STRUGGLE & BUILD”を掲げて形にしたという2年ぶりの新作。「いまのテーマソング」と10月のライヴで披露されたトラック1のドリルのような全方位型のヘヴィーネス。『C.O.W』の魅力/重低音デジロックに『SING!』で開花させた歌心が見事に融合したトラック2、物語と感情をありありと想起させるトラック3の百々の歌詞。ドライヴ感たっぷりのギターも随所に散らばっているし、一歩引いたら爆笑必死のハイテンション・ソングも健在。怒涛のスクリーミングも無軌道な展開も、どれもいままでのモーサムが持っていた要素だ。しかし、なにかが確実に、決定的に違う。一撃必殺、聴く者を捩じ伏せ薙ぎ倒すような狂暴なサウンドは新機軸を得るまでの苦渋の闘いを彷彿させる。しかし、曲から放たれているのは新境地から産み出された潔い、居直りのようですらある突き抜けた力強さ。「10人のうち9人が無理でも、1人の人生を変えてやりたい」と放った傑作、サポート・ドラマー含む4人、新体制ライヴでの再現も必見。

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