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手をたたけ

『手をたたけ』

NICO Touches the Walls

[label: SONY/2011]

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爽快なるキラーなポップ・チューン

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文:渡邉祐子

「夏フェスなどでノッて貰えて、誰でも口ずさめるような曲を作った」と2011年6月ツアー追加公演でお披露目したときにはシンプルでラフな勢いが気持ち良かった。音源では歌や歌詞、メロディなどを感じるより早く、サウンドの存在感が“手をたたけ”という言葉とともに気持ちよく耳に残る。新しい試みであるストリングスのアレンジも痛快で、弾むような高揚感と突き抜ける爽快感が更に増している。伝えるでもなく届けるでもなく、言葉通りに誰にでも、多くのひとに広がっていきそうな爽快なポップ・チューン。ファースト・アルバムでの表現欲求の強さをセカンドでは伝える力へと高め、サード・アルバムでは相手へと届ける確かな音楽の強さを培った。そんないまだからこそのシンプルさとパワフルさを兼ね備えている。カップリング“速度”は新曲作って出しツアーで初披露、武道館でも演奏されたライヴ・ファン待望の曲。感情を迸らせた言葉が見事にメロディに乗っていく快感。繊細に重ねられたサウンドは圧倒的な夜のムードの曲に瞬く星のように静かに華を添える。軽快な新機軸、変わり続ける一過程のような力強さの両方が楽しめる1枚。

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