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RGBとその真ん中

『RGBとその真ん中』

the chef cooks me

[label: only in dreams/2015]

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さまざまなテンポ、それぞれの個性が滲みでる。

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text by 佐野亮太

「どれが欠けても完成しない作品」。シモリョーこと、Vo.下村亮介がそう語る通り、本作『RGBとその真ん中』は全4曲がそれぞれの個性を滲ませながら、一つの生命体として存在するような、不思議な魅力が詰め込まれている。
昨年11月8日の梅田シャングリラのアクトで録音したコーラスを使用したという1曲目「PAINT IT BLUE」は、アップテンポで軽快なリズムに、どこか陰のある歌詞を添える辺り、彼等”らしさ”が伺える。しかしその歌詞は決して後ろ向きではなく、むしろ力強く背中を押してくれる様な、そんな魔法が込められている。一度聴くと耳を離れないキャッチーなメロディは、思わずライブでも口ずさんでしまうであろう。
2曲目「ふぞろいの赤」は前曲とは一転して、シンプルでミディアムテンポな曲に仕上がっている。シンプルだからこそ、ギター、コンガ、シンセサイザー、ベース等、全ての楽器の音がとても際立ち、それでいて主張しすぎることもなく、良い塩梅で心地よく耳に流し込まれていく。
3曲目「エメラルド」は、それまでの楽曲とはまたガラリと雰囲気を変えた、気怠い雰囲気を備えたスロウな楽曲に仕上がっている。艶のあるメロディーが耳から離れないのは恐らく私だけではないだろう。してやられた、と思わず悔しい笑みが溢れてしまった。
そして4曲目「キャンバスに幻を」でこのアルバムは完結する。様々な色彩に焦点を当てたこのミニアルバムの締めくくりを飾るに相応しい、どこか懐かしい昔ながらのポップスの様な香りを漂わせる、今の彼等らしい楽曲である。
満を持して繰り出された彼等のミニアルバム。これを携えて3月7日、ここ恵比寿LIQUIDROOMで行われるワンマンショー『ぼくたちの街柄』。果たして彼らは、どんな”柄”を見せてくれるのか。

いよいよ今週末開催!
3/7(土)the chef cooks me ワンマンショー『ぼくたちの街柄』
OPEN / START17:30 / 18:30
ADV ¥3,000(税込・ドリンクチャージ別)
https://www.liquidroom.net/schedule/20150307/22542/

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