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GARDEN OF DELETE

『GARDEN OF DELETE』

ONEOHTRIX POINT NEVER

[label: Beat Records / Warp Records/2015]

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小説の粋まで昇華させた妄想を、音楽にしてみたら。

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text by 渡辺克己

 ニューヨークのブルックリンを拠点に活動しているダニエル・ロバティンことワンオートリックス・ポイント・ネバー(OPN)。ミニマルミュージックやアンビエント、そしてドローンなど、その響きは都市の静寂を切り取ったような作風が印象的だ。彼の存在を世に知らしめた、彼の初期の作品『Magic Oneohtrix Point Never』(07年)から、CDやデータをはじめ、レコード、カセットテープでも発表。その内省的な楽曲群と相まって、相当なこじらせ方をしていることが散見でき、世界中の同胞から熱い注目を集めることに。
 これまで電子音楽デュオのエール、マイ・ブラディ・ヴァレンタインのケビン・シールズなど、癖しかないような音楽家へスコアをフってきたソフィア・コッポラ監督が『ブリングリング』(13年)のテーマ曲や作曲/編曲にOPNを抜擢。アップダウンの激しい十代の心情を描くことが多いソフィア・コッポラ作品と、激しい内面のこだわりを抱えたOPNの楽曲、特にエンディングなど、見事にマッチしていた。
 OPNことダニエル・ロバティンがいかにこじらせているか。最新作『Garden Of Delete』と共に届いた一通の手紙から容易に想像ができる。14年はナイン・インチ・ネイルズと共にツアーをするなど、多忙な日々を送っていた。新作に取りかかろうと自宅地下のスタジオに篭っていたある日。風変わりで、病を抱えたエズラと愛犬・ヴォイドと出会う。コンピューターに長けたエズラはシンセや音楽ソフトを開発し、レコーディングにも参加し、作業は順調に進んでいく。思いがけない出会いから友情を育んでいく中、ダニエルはエズラの正体を知ることに・・・。まるでSF小説のようなこの手紙は、公式HPでも読むことができるもので、解説のかわりになっている。妄想と幻想、そしてプレッシャーが、頭の中をハイスピードで這い回った結果に生まれたと思わしきストーリーは、きっと続きがあるのだろう。その物語を反映(?)させたアルバムは、何層にも織りなされたハードとソフトのシンセサイザーの音色と旋律は、決して人を安心させない。それでいて、曲を進めるごとに、思わず次の展開を期待してしまう。小説を映像作品ではなく、音楽化したような作品といってしまうと、少々乱暴だろうか。いや、いた仕方がない。
 新作と共に届いた手紙の日付だが、今年2015年8月8日となっている。同日の過去を遡ってみると、プロレタリア文化代革命の決定(中国・1966年)やウォーターゲート事件についてのテレビ演説(米・74年)といった歴史的な事象があった日。しかし、こじらせた中年が青春を振り返った映画『スタンド・バイ・ミー』(86年)公開という日でもある。なんとなく狙ったような気がする。

公演情報!!
東京公演にカールステン・ニコライがアルバ・ノト(DJ Set)名義で出演決定!!!

ロンドンとベルリン公演をソールドアウトさせ、続くニューヨーク公演もすでにソールドアウト!前回の来日公演でもその奇妙な世界観でライブを演出したヴィジュアル担当、ネイト・ボイスも再び帯同し、大型テレビモニター2台を駆使した最新オーディオ・ヴィジュアル・ライヴは各地で反響を生んでいる。

初来日となった2014年3月の東京・大阪公演、そして10月のRed Bull Music Academy Japanにおける公演も、またたく間にソールドアウト。今年に入ってからは、ハドソン・モホークとともに、アントニー・ヘガーティの最新作をプロデュースしていることも話題となったOPN。完売必至の来日公演は12月に開催決定!視覚~聴覚~すべての感覚を吸い込むようなスーパー高解像度な音と映像の奇妙な世界は、再び観る者を完膚無きまで魅了する。全神経を注ぎ、毛穴全開で体験すべき超必見の最新オーディオ・ヴィジュアル・ライブ!

2015.12.03(THU)恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 18:30 / START 19:30

SPECIAL GUEST : Alva Noto (DJ-Set)

前売: 5,500yen(税別:1ドリンク代別途)

詳細はコチラ⇒https://www.liquidroom.net/schedule/20151203/26199/

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