FEATURE-REVIEW

hey hey,my my?

ドミコ

hey hey,my my?


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text by 上杉江美

みんな待ってたドミコの新譜!

初の全国ツアーにフジロック初出演と、今年は活動の幅をぐんと広げたドミコ。そんなドミコのセカンドフルアルバム『hey hey,my my?』は、相変わらず歌詞カードを見ないと何と歌っているのか分からない。独特なバンド名、粘るような歌い方、シンプルな人数と圧倒的な存在感、アイスが溶けるみたいな、色っぽい歌声。一度ドミコを聴いたらきっと記憶に残るはず。

だらだらした曲のイメージが強いドミコだが、今作ではいきなり「マカロニグラタン」「こんなのおかしくない?」と激しいバキバキの曲が続く。そして暑さと海が思い浮かぶ「ロースト・ビーチ・ベイベー」。こちらも今までのドミコにはなかった、優しいノスタルジックなメロディーだ。‘海まで一人でいたい’‘海まですっ飛んで行きたい’という歌詞はすごく切ないけれど、はっちゃけるばかりの夏よりもずっと夏を懐かしくさせる。

そしてジャケットには海で気ままに泳ぐ人魚たちが描かれていて、楽曲の中には深海、海溝など他にも海にまつわる言葉が散りばめられている。海は、たくさんの命がある一方でいくつもの死も引き起こす。海は始めであって終わりでもある、未知の空間だ。決して抵抗することのできない、決して全てを知ることのできない空間は恐ろしいのに、それでも人は海の美しさに頼りたくなる時があるのかもしれない。

さらに歌詞を読むと、汗、心拍数、鼓動、体温といった生命に繋がるワードと、灰、息がしたい、などの死を連想させるワードが目に付く。「くじらの巣」では、海軍のソナー演習のために死んでいくくじらについて歌っている。テーマやメッセージを歌で完結させずに投げかけるだけだから、何がテーマかは分からない。けれど生や死の連想から本当の意味で生きることへの憧れのようなものを感じて、ちゃんと自分の居場所をもって、地に足つけて生きてるかな?と最近の自分を振り返らされた。

ドミコのライブはフロアが爆発するような盛り上がり方をする。9月にリキッドルームで開催されたSong For Future Generationでも、終電後のそわそわしたフロアを盛り上げたのはドミコ。ひとつ音が鳴った瞬間に空気ががらっと変わって体が軽くなったのを覚えている。今作の楽曲たちがライブではどうアレンジされるのか楽しみだ。