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text by 河村祐介

どこにもない、たしかに見た景色のサウンドトラック

次元をあえて超えてしまったとしか言いようのないラジオ曲からの生放送。本作のサウンドは淡いメランコリーと、ノスタルジーを全体に纏いさまざまなイメージを作り出す。「7泊8日」や「世界各国の夜」が、旅、もしく外国といったところに向けられた文字通りのエキゾチシズムをひとつのテーマとして落とし込んだ作品とすれば、本作のイメージはもっと身近な風景のなかに見つけることができる。この国の郊外のどこかで廃墟となるレジャーランド、その宴会場にストックされていたラテン音楽。その音符に刻まれているのは、かつてそこで行楽した家族の笑顔。こうした気配と残像に過剰な妄想力で付き合い、翻弄されて生み出される、情緒の反乱から生まれる違和感のある既視感、それをエキゾチシズムとしてとらえて探求したといえばいいのだろうか。ある種のヒップホップ的なカット&ペーストが妄想とともに情緒のレベルで溶け合いサウンドを作り出す。レゲエやラテンのグルーヴも、本来の文脈からぬるっと切り離され、温泉マークのネオンの後ろで鈍く、光り、本作を聴くものを惹きつけるのだ。

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