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The Bays

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レコード会社も、CDもいらない、ライブさえあれば、オーディエンスがいればそれで全てやっていけるのさとベイズがたからかに宣言して3年、WOMADの ヘッドライナー、グラストンヴェリー・フェスティヴァルのダンス・テントのトリ、そしてジャズ・カフェでは週1の一ヶ月公演を全てソールド・アウトさせ た。そんな凄いバンドのことがぼくたちの耳に届いていないということはぼくたちがそれだけ宣伝というものに左右されている証拠なんじゃないだろうか。まず はベイズのスピリッツをこのインタビュー読んでください。そして彼らのホーム・ページhttp://www.thebays.com/にアクセスしてみて ください。彼らのライブが全て聞けます。その音はハウス、テクノ、エレクトロ、ファンク、ドラム&ベースを全て網羅したまさに現代のバンドでも、それはベ イズへの入り口でしかない、ライブを体験すること、それがベイズなのだ。サイモンとのインタビューです。

── ベイズの始まりを教えてください。

「どうして始まったんだろう。ぼくはパームスキン・プロ ダクションというプロジェクトをやっていてモーワックスからCDをリリースしている。DJやリミックスもしているけど。元々はミュージシャンとしてはパー カショニストとして色々なアーティストのレコードに参加してきた。ドラムのアンディ、ベースのクリスもそういうセッション・ミュージシャンだね。キーボー ドのジェイミーがジンプスターいうプロジェクトを初めて、その時にジェイミーがフリーレンジ・レコードというインディペンダント・レーベルを初め て...、ウーン、アンディが毎週ジャム・セッションを始めるように成って、ジェイミーがアンディの知り合いで、それが...うーん色んなコネクションが ベイズの始まりかな」

── ハッハッ(笑)。なぜCDをリリースせずライブのみで活動しようと思ったのですか?

「理由は いくつもあるけど、その一つの理由はレコード会社は音楽を作るのが重要じゃなく、音楽をどうやって売るかというのが重要になってしまっているから。音楽に とって一番特別なことは音楽が作られる時なんだ、ぼくたちはミュージシャンだからそれがよく分かっている。それをオーディエンスと共有したいんだ。オー ディエンスに分かって欲しいんだ。ぼくたちはCDになったものをもう一度再現しようと思っていない、毎回新しいものをオーディエンスと作ろうとしている。 ぼくたちの音楽はオーディエンスに影響されるんだ、オーディエンスがディープでムーディーだったら、ぼくたちの演奏もディープでムーディーになる。それに 音楽の歴史を考えてみると、音楽が製品になるなんてつい最近の話じゃないか、それよりもミュージシャンとオーディエンスの歴史はもっともっと長いんだ、何 千年も前から音楽はこうして楽しまれきたんだから」

── 60年代のミュージシャンでさえそうですよね。レコードの収入よりもライブの収入で生活してきたんですから。あなたたちのアテチュードにはアンダーグラウンド・レジスタンスと同じスピリッツを感じるのですが。

「そ の通りだと思う。彼らもインディペンダントにいることにとても気を使っているよね。音的にも似ている所があると思う。ほとんどの人はインプロヴィゼーショ ンと言うとテーマがあってその後ソロが延々と続くみたいなジャズを思い浮かべるけど、ぼくたちはそういうインプロヴィゼーションには全然興味がないだ。 DJが色んなレコードをかけるような感じでぼくたちは演奏していく。僕たちが影響を受けるのはリッチー・ホウティンなどのいいDJセットなんだよね。彼の セットで組み立てられる音やグルーブに影響されるね。素晴らしいジャズ・ミュージシャンよりDJの即興性にぼくらは影響される。後昔のバンドだけど、カン などにも同じアテチュードを感じるね」

── サイケデリックの後グレイトフル・デッドなどのフリー・インプロヴィゼーションが流行ったように、何故いつもシーンが活性化するとインプロヴィゼーションのバンドが登場するのでしょう?

「いい質問だね。でも何でだろう?...。うれしいのは今のキッズたちはあまり生の演奏に触れてなくって、ぼくたちのライブを聞いて、どれだけ、生の演奏が素晴らしかったか語ってくれることだね」

── たまに凄い典型的ロックのベース・フレーズも出てきますよね(笑)。

「何でだろう(笑)」

── まっ、ああいうベース、今ダンス・シーンでもポピュラーですもんね。

「ベイズは何だって出来るんだよというフリーダムの現れじゃないかな。ピュアリストになると危険だと思う。ルールに縛られて、ロックがダメとか、何々がダメとか言い出すと、可能性を無くしてしまうと思うんだ」

── レコード会社はダメでも、ミニストリー・オブ・サウンドではライブをするという強かさですね(笑)。

「(笑)。 アメリカもそうだと思うだけど、イギリスのクラブやライブ・ハウスは全て大会社の傘下にあって、基本的に右翼的で保守的でどうしようもない経営人に運営さ れているんだけど、そんな所では出来ないと考え出したら、ベイズはグリーンピースのフェスとかそういうとこだけでしか出来なくなっちゃうんだよね(笑)。 ぼくたちは政治家じゃなく、ミュージシャンだから。ベイズはアンチ・レコード会社のバンドというわけでもないし(笑)」

── よく分かります。レコード会社はたくさんのお金を使ってありもしない流行を作ったりしてきましたが、クラブやライブハウスの人たちは毎日お客さんからお金 をもらう仕事に携わっていて、例えどうしようもない右翼でももっと現場主義でちゃんと地に足がついているような気がしているなと思ってたから聞いてみただ けです(笑)。でも本当にライブだけで食べていけるんですか?

「リ ムジンでの送り迎えはないけど、ちゃんと生きていってるよ。一昨日はカナリア諸島で行われたWOMADのフェスで1万2千人もの人の前で演奏した。メキシ コ、ロシア、世界中の色んな所に演奏しに行ったよ。CDも何もリリースしていないのに世界中の人たちがぼくたちを暖かく迎えてくれる、大成功だよ」

── 日本にも来ますもんね。

「そう、そして多分元ジャパンのリチャード・バルビエリがゲスト参加すると思う。リチャードはぼくのシンセサイザー・ヒーローなんだ。『錻力の太鼓』の「ゴウスツ」のシンセ・サウンドは本当に凄いよ。だから日本で演奏するのをとても楽しみにしているんだ」

── それまではホーム・ページのライブをダウンロードして聞いときます。

「うん、でもそれはベイズの50%の魅力でしかないんだよね。本当のベイズを知ってもらうには来てもらわないと。あのホームページでの音源はどちらかというとぼくたちのライブに来てくれた人たちへのお土産みたいな感じでアップしてるんだ」

── そのような気がします。ぼくもいろんな友達に凄いのが来ると喋りまくっています。それでは日本で。

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