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Shing02 with DJ Icewater and CAV3 / Meiso / RUMI+SKYFISH / THINK TANK / THE HEAVYMANNERS / DJ KENSEI

Shing02 with DJ Icewater and CAV3 / Meiso / RUMI+SKYFISH / THINK TANK / THE HEAVYMANNERS / DJ KENSEI

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ワード&リズムが生み出す強力なる磁場

 オープンと同時にソウル・ヴェンダースの“Swing Easy”がプレイされるとそのままソウル~ハウス~ブレイクビーツまで、長いキャリアに裏打ちされた幅広い選曲が続く。DJ KENSEIが暖めた熱をそのままMeiso+CAV3が昇華していく……メロウなブレイクビーツに、バイリンガルなMeisoならではの日米織り交ざったリリック。CAV3にMeiso、スーパープロデューサーのキールを加えた3MCの頃には完全にロックされてしまったことであろう。

 怒涛のライヴの酔いも覚めやらないままこの日、紅一点のRUMI+SKYFISHにスライドしていく。序盤から“A.K.Y”続いて“heso-CHA”などで、フロアを大いに奮わせる。
 彼女らのライヴは何度も観ていたが、この日のライヴは特にすばらしかった。ヒップホップに収まらないダブステップやエレクトロがミックスされた変幻自在のビートを奏でるフライング・ロッドことSKYFISHに、天真爛漫なライヴ・パフォーマンスのRUMI。この日はとくに、高いメッセージ性を持つ“銃口の向こう”時の彼女たちからはある種カタルシスさえ感じえた。いつもよりも少し広い舞台だったが、威風堂々たるライヴであった。

 次に控えるのはTHINK TANK。衝撃の復活を経て彼らはこの日も妖しい黒煙をあげる。
 異様に暗いステージのなかでの“イカレテルSHIT”の4人には関しては筆舌に尽くし難い。同時多発的に繰り出されるMCと聴く者の頭を駆け巡るKILLER-BONGのディレイがかったシャウトは完全に「キレて」いた。コール&レスポンスが重くのしかかる“I say you say”まで、圧巻のパフォーマンスが続いたかと思うと、まるで嵐が去った後のように深い爪跡を残して去っていった。

 次はMETAMORPHOSEにも共に出演したDJ IcewaterとCAV3での3人編成でのライヴ・セットでのShing02は冒頭からCAV3との2MCを披露したかと思うと、ギターリストを迎えて“Battlecry”“F.I.L.O.”“Luv(sic.)”(with Emi meyer)……と今春急逝したNujabesとの共作を立て続けに魅せ、会場を歓喜の渦に落とし込む。『400[甦]』をリリースしたばかりながら、初期作『緑黄色人種』から“誰も知らない”やMeisoと“夜道”をプレイ。そして、若干17歳ながら“Parallel Universe”のリミックスで才能を見せ付けたLASTorderもDJで参加するなど、ヴァリエーション豊富なスタイルで古参~新参者のファンまでをも楽しませた。

 この後に控えていた、DJ KENSEIのプレイは大トリのTHE HEAVYMANNERS開始直前まで熱量をぐんぐんと上げながら躍進していく……すでに十分力強い低音が鳴り響いていたリキッドルームだったが、秋本“HEAVY”武士率いるTHE HEAVYMANNERSの圧倒的なまでの重低音に再び振動する。
 3曲目“RIOT”までどっしりとした重厚サウンドを聴かせたかと思うと、ふいにRUMIが現れればフロアはむせ返るほどの熱気を帯びる。「5人目のメンバーでは?」と思うほどにダブ・サウンドに見事にマッチしていた彼女は、“邪悪な太陽”を含む2曲をキックしてステージをあとにした。だが、これで宴が終わるはずがない。続け様にSHING02が登場し“銃口”“400”(with DJ ICEWATER and Meiso)を一夜限りのダブ・ヴァージョンで。途中「HEAVY MANNERSにライヴの仕方を教えてもらった」という言葉も、ともかく熱のこもったステージングで特別な夜をさらに盛り上げていた……。
 メロディカ・チューン“Cry tuff”から、KILLER-BONGがのそりとステージに上がると、会場全体がまたまた三度揺れた。自身の声にエフェクトをかけながらプレイされる“Rudeboy”でとうとう三半規管にまで振動は飛び火……この日最高潮の盛り上がりを持って宴は最高のフィナーレを迎えた。

約6時間にも及ぶ長時間、これだけのメンツが一介に集まり創られたひとつのグルーヴは会場だけでなく、観る者の心を震えさせた。あとにも先にも味わうことができないこの一夜限りの祭典は必ずやそこに集まったクラウドたちの語り草になることであろう。
(市川雅史)
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