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INTERVIEW

SAKURA KONDO×CARRE interview by 植本一子

SAKURA KONDO×CARRE interview by 植本一子

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似た者同士が作り上げる、絵と音。集大成の制作秘話。

いよいよ、4/24(金)よりKATAにて開催される、〈SAKURA KONDO x CARRE EXHIBITION「GREY SCALE」〉。
展示解説にもあるように、

展示における「バックグラウンドミュージック」ではなく、絵の気配としての音楽。
アルバムにおける「アートワーク」ではなく、楽器のひとつとしての絵。

ということで、2組による制作が一つの結果として発表される。
秘話を伺うにあたり、共通の知人であり、アーティスト写真を撮り下ろしてくれた植本一子さん協力のもと、インタビューが行なわれた。

── まずは、3人が知り合ったきっかけからお聞かせ下さい。

近藤さくら(以下 近藤)アイデアを最初に思いついたのは2012年。音楽雑誌『音盤時代』で挿絵のお仕事をしたときに「音を部品として描く」楽しさを発見したんです。それで、次に作品をつくるときは音楽とがっつり組んでやってみたいなと思いついた。誰とやりたいか考えた時に、ケアルだと思ったんです。2011年に初めてライブを見たとき本当に良くて、忘れられなかった。それでわたしから声をかけました。

── ライブをみてから1年後に?

近藤そう。最初はMIXCDを作ってほしいと頼んだら、新曲を作ってくれると言ってくれて。

── 1年前にはもう、知り合いだったんだね。

近藤いっちゃん(植本一子)から鈴木君(MTR)の名前は度々聞いてたけど、ケアルの音楽を聴いた事は無くて。 2011年にたまたま行ったライブで初めて見た時は、感動しました。気持ちが高ぶりすぎて、全く知り合いじゃないのに鈴木君に「凄い良かったです!」って言って帰ったんだよ。

MTRちょっと覚えてないですね… でも、僕もさくちゃん(近藤さくら)の名前は知っていて絵とかも見てて。いっちゃんのジン作りをお互い手伝ったりしてたから、気になってはいたんですけど。でも、この人が近藤さくらさんなのか!と思ったのは、高円寺の反原発デモの時、ぐるっと回った最後、高円寺駅で、友人に紹介されて。

近藤あぁ、そうだ。デモで話したのが最初だね。それも2011年だ。

── ケアルの音楽がいいな、と思った所はどこですか?

近藤私が「こういう絵を描けたらいいな」と思うことを音楽でやっているんです。(良い意味で)華はあんまりないけど、地道で無骨で、芯が通っている音楽だと思います。力が外ではなく、内に向かっている感じがします。聴いていると、自分の内面のとても遠い所に行って、また帰ってくるような気持ちになります。

── なにかシンパシーを感じたの?

近藤そうだね。「あぁ、似ているな。一緒にできそうだな」って勝手に思った。それでまずは、わたしの絵を見てもらおう!と思って、個展に誘ったの。作品を一度みてください。それで答え決めてくださいって。

── 似てるって言われて、展示見に来てほしいって言われて、見に行って、どうでした?

MTR僕はさくちゃんの絵は前から見た事があって、でも沢山一気に見たのは初めてで。たしか、山口君(NAG)とは一緒には行ってなくて、別々に見に行って。で、これは凄い!と思って、すぐに見に行ってくれって言って。

NAG単純に凄いなって思ったし、カッコよかった。似てるものがあるなと思ったから、一緒にやったら合うんじゃないかって。で、快諾って感じですね。

── さらに、そこから3年経ってて、その次の個展の話がでたきっかけっていうのは?

近藤まずは具体的なことは決めずにとりあえず少しづつ制作を進めていきました。作品は展示として発表したいと思っていたけど、音楽を最終的にどういう形で発表するのかというのは決めてなくて。しばらくしたら、新曲が出来そうだからアルバムにした方がという事になって。アルバムのリリースと展示を一緒にすることにしました。

── 交互に出して、出して、出して、出してって感じだったの?

MTR曲先行で始まって、それが結構な時間を要してしまって。途中経過もさくちゃんに音源を送りつつ、とりあえず、こういう方向性ですって感じで渡して、一旦これで、描き始めてくださいって感じで進んでいった。

近藤音源を貰ったら、ちょっとずつ描き進めて、できたら部分的に見せて…という感じ。正直めちゃくちゃ頻繁に交換してたって感じではなかったけど、それがむしろ私の中で信頼に繋がっていきました。良い意味で緊張感のある関係というか。妥協はないというのが共有できているなと思った。

── 3年間って結構長いね。
たしか、さくちゃんが展示の日にち決めないと、終わりが見えないから、展示の日程を決めた!って言ってたのが去年末ぐらい?

MTR3年掛ったっていっても、その間ライブもしてるし、仕事もしてるし、遊んでたし。日常生活が主なので…

近藤そうそう。普通に日常生活送っていると、時間があっという間にすぎるから。最後は無理矢理に己を焚き付けました(笑)

── 展示が決まって、お互いまとめに入って、どの位かかったの?音源とかまとめれたかんじ?

MTR曲順とかがちょっとずつ決まってきて、間にこういう曲あったら良いなと思ったら作ったりとか。そういう作業を最後に急にやり始めた。

NAG最後の最後まで、どの曲を入れるか悩んでた。

MTR実際、入ってない曲もさくちゃんに渡してたし。

近藤同じ曲も全然違う音とかが入ったりしてて、曲が変わって行く過程もすごく面白かったな。

MTRアルバムとしてまとめるとしたら、その曲のこの音はいらないなど出てきてしまうから、最後はそれまでの録音物を選定作業というか、まとめる作業に集中した。

── どんなコンセプトで2組とも作ったんですか?

MTR最初から似ているものを感じているので、時にコンセプトは決めてなかった。

── タイトルは?

近藤私は、作品の名前を決めるのがすごい苦手で…そしたら鈴木くんが、良いのを持ってきた。

MTR実は大昔に作って、結局リリースはしなかったアルバムのタイトルが「グレイスケール」で。

── 中身は別もの?

MTR全く別もの。でも、ある時に、これこそがグレイスケールじゃないか!と思いついて。さくちゃんに伝えた。

近藤いいじゃん!って即答でした。

── さすが、似た者同士。

── 2週間切りましたが、絵の準備はできていますか?

近藤ギリギリですね。まだどうなるか全くわかりません。設営日までとにかく描いて、良いものを持ってくる感じです。

── ライブペインティングもするもんね。

近藤うん。普通に描いてる所見せても地味だし変化がないと思うから、来てくれた人が楽しめるようなことが出来たら良いなと考えているところ。

── 6時間ずっと描くの?その間、誰も話しかけれないの?

近藤いや、「ちーっす」ぐらいは(笑)

── 集中してやる感じ?

MTR実は、それもあって敢えてオープニングレセプションパーティーって書かなかったの。オープニングレセプションイベントにしたの。それは、誰ともしゃべれない可能性があったから(笑)。パーティーって言えないや、と思って。

近藤終わって、30分だけ、口を解禁出来る(笑)

MTRっていうぐらいになりそう(笑)

── ケアルの6時間ってよくやるの?

MTRいや、ないです。過去に5時間ってのはやった事あるけど。今回は、展示用にサウンドインスタレーション的なものを作っているので、いつもとは違う感じになると思うんです。30分とか1時間とかでやるのとは違って、長時間だともっと波が出来るじゃない。トイレに行きたいとか(笑)、集中が途切れてしまって割と曖昧な音を出さなきゃいけない瞬間も絶対ある。

── トイレは行くの?

NAGでも前回、5時間やった時は、一切行かなかった。ただ、4時半ぐらいで、タバコを吸い始めたら、それまで、水も一滴も飲んでなかったのに、そこから集中力が切れちゃいましたね。

MTRでも、本当に5時間が直ぐ終わったんだよね。

── 普段、ライブ前のリハとかは何時間位やるの?

MTRライブのリハーサルみたいなのは、やらないです。練習スタジオとかにもほとんど入らないし、その日にやる曲も、決まって無い。

NAGなんにも決めてない(笑)。

── 全部アドリブってこと?

MTR/NAGそう。

── 凄い。。。ケアルの二人は、何年一緒にいるの?

MTR僕が保育園、彼が幼稚園ぐらいから知っている。で、小学校で一緒になった。小4とか5の時に、バンドやろうぜ!ってなるっしょ?

── 早い(笑)

MTRボーカルが3人ぐらいいる感じの(笑)。そこから、ずーっと一緒にやってるから。

── 長いね。。。

── では、6時間は挑戦ですね。

一同そうですね。

── 見る人は、6時間どう過ごせばいいの?

MTR僕個人としては、30分とか1時間だけやるっていって、そこでみんなに見られるのは恥ずかしいから。だったら、6時間に分散した方が気が楽だなっていう(笑)。

── 一気にケアルが身近に感じられる(笑)

MTRいつもだったら、集中して演奏するところも、6時間もあれば、気が抜ける演奏も出来ると思う。それが良いか悪いか別としても出来ると思う。それがちょっと楽しみかな。

── お客さんにはどうして欲しい?

MTRずっと見てても良いし、途中で抜けてもいいです。ライブを見るって言うよりは、展示の一部になりきりたいって感じもあるから、僕らを見るって言うよりは、展示全体を見てもらいたい。

近藤前半に来て、途中でどこか別のところに遊びにいって、また戻ってくるのも楽しいと思う。途中経過も楽しんでもらいたいです。

── この展示は、どっちが主役ってことではないんだね。

近藤うん、2組対等です。

── ケアルは、こういうコラボは、初めてなの?

MTRここまで共同作業を作り込んだのはないです。この先もあるかどうか分からないですね。

── ピッタリだもんね。2組の感じは。
楽しみです!!

今回の個展にあわせて、CMを制作しました。NICE AIR PRODUCTION / 20TN!の浮舌大輔による、フルCGの映像です。

MTR打ち合わせに行ったら、すでに出来上がっていて。アー写撮影には参加してない浮舌君がロケ地を勝手にCG化してて(笑)。もう、これで決まりしょーってなって。

そして、 本展にあわせ、SAKURA KONDO×CARREによる画集+CD『GREY SCALE』を刊行します。
CARREの楽曲を近藤さくらが絵画化・視覚化するというコンセプトで1曲1枚の絵が存在する。
その為に制作された音源をCD化。本展覧会で販売する、スペシャルパッケージです。

『GREY SCALE』(画集+CD)
発売:2015年4月24日
定価:未定 サイズ:未定
印刷:こんどう印刷

【エキシビションインフォメーション】
GREY_SCALE
SAKURA KONDO×CARRE EXHIBITION「GREY SCALE」
2015.4.24(Fri) – 5.1(Fri) 15:00 – 21:00
at KATA [LIQUIDROOM2F]
入場無料
 
event
SAKURA KONDO X CARRE EXHIBITION “GREY SCALE”
OPENING RECEPTION EVENT
「6 HOURS OF SAKURA KONDO × CARRE」
2015.4.25 (sat) 15:00-21:00 (CLOSE 22:00)
ENTRANCE : 1,500 YEN (オリジナルバンダナ付き)
 
Live Painting By SAKURA KONDO
Sound Installation And Play By CARRE
 
Bestial Food Service By HUNT
Sound Support By musikelectronic geithain gmbh

展示、オープニングイベント共に、ご来場お待ちしております。
http://www.kata-gallery.net/events/GREY_SCALE/

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