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9mm Parabellum Bullet

9mm Parabellum Bullet

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ファースト・フルアルバム『Termination』リリース後では初となった、東京での9mm Parabellum Bulletのワンマン。会場は超満員で、開演前から放たれる観客達のとてつもない熱気からは、その期待度・注目度の高さが伺えた。
序盤から最新アルバムの楽曲を中心に展開される非常にテンションの高いライブ。4人の体から発せられる圧倒的な狂騒を前に、堪えきれないといったように拳を突き上げ、体を揺らし盛り上がる会場は既にカオス寸前だった。
9mmの楽曲は全てがキラーチューンだといっても過言ではない。哀しみも切なさも嬉しさも、絶望に裏打ちされた希望も、全てを掻き集めてひっくるめ、ばっと放り投げるかのような開放感のある音楽。それが少しでも気を抜いてしまえば置いていかれてしまうくらいの加速度で、しかしそれでも誰もが巻き込まれてしまう凄まじいエネルギーを内包したままに駆け抜けていく。泣いているのか笑っているのか、泣けばいいのか笑えばいいのか、わからないくらいに揺さ振られてしまう。
後半は「天井をぶっ飛ばそうぜ!」という菅原のMCと共に、盛り上がりは最高潮に。インディーズ時代からの楽曲を立て続けに演奏し、更にその熱量を増していった。
特筆すべきは曲を追うごとに増していく菅原のボーカルの存在感である。その歌声や叫びには絶対に逃げないぞ、という強い意志と、ある種の狂気さえ宿っているように感じられた。またそれを支えているのが確固とした演奏力の高さであるのも間違いない。
9mmは勢いと破壊力だけの、そんな刹那的なバンドとは絶対的に違う。彼等はもっともっと芯のところでタフだ。シビアに音楽と対峙し、そこで生まれた抜群のオリジナリティある楽曲と、とんでもなく確かな覚悟と決意を持って、怯むことなくめちゃくちゃに今を楽しんでいる。間違いなくメンバーである4人が一番楽しんでいる。それを証明するかのような素晴らしいステージだった。
アンコール終了後もこれで終わるのかと思いきや、本来ギターであるはずの滝がドラムを叩きだし、ベースの中村がギターを弾き、菅原が叫びまくるといったまさかの、まさに最後の最後での大暴走で、会場を再度沸かせた。遊び心を忘れないそのスタイルを貫いて、呆れるほどに9mmらしくライブは終了した。紛れもなく、いい夜であった。

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