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Port of Notes

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5年ぶりのオリジナル・アルバム『Luminous Halo~燦然と輝く光彩~』を発売し、なんと8年振り(!) となったPort of Notesの全国ツアーファイナルである。

本編の始まる前にはまず小島大介(E.G)のソロコーナー。小池龍平(A.G&Cho)、BIC(Per)をサポートに迎え、自らのソロアルバムからインストゥルメンタル曲を演奏。独自の色のある表情豊かなギターでゆっくりと会場を暖める。「僕今回、ポートオブノーツのアルバムで一曲も唄っていないので・・・、ちょっと嫌だなーと思ってる人も多いと思うので(笑)、一曲くらい唄おうかな」そんなMCで笑いを誘いつつ、その清涼感ある爽やかな唄声も披露し、ファンには嬉しい時間となった。

ソロコーナーの終了と共に、アコーステックギターの爪弾く音に誘われて、畠山美由紀(Vo)が登場!「ポート・オブ・ノーツです、東京のみなさーん!最後まで楽しみましょう!!」という畠山のMCに続く形で『Ancient breeze』でライブスタート。今回は前述のメンバーによって4人編成でのライブである。『You Gave Me A Love』、『それぞれの海の色』と立て続けに演奏。その後披露された『Fly high』、『私の街』、はそれぞれ大貫妙子と曽我部恵一に歌詞を提供してもらったという。レゲエ調のリズムに惹きこまれる『真夏の眩暈』、『夜明けのバラ』での後半の小島大介のエモーショナルなギターソロからのセッション的な展開には心も体も踊ってしまう。あらゆるジャンルを取り込みつつもPort of Notes的な、どこかノスタルジックなエッセンスが効いた楽曲たちはライブではより一層緩やかに力強く輝きを増し、そのアコーステックサウンドは光の粒のようにきらきらと会場を舞う。畠山美由紀の存在感のある深く柔らかなボーカルは優しく私たちを包み込むようだ。

MCではレコーディングでNYへ行った時の話や、ツアーの小話などを面白おかしく話してくれる2人。会場は終始和やかな雰囲気で、時には爆笑も起きてしまうくらい、オーディエンスもメンバーもリラックスしていた。いつも自然体な2人にとって、きっと音楽も呼吸をすることくらい自然なことなのだろう。そんな2人の創り出す音楽だからか、Port of Notesの音楽はどんなに完成度が高くても気取っていないし、飾らない魅力に溢れている。いつだって日常の延長線上で自然に鳴り響き、生きることを祝福してくれる。だからこんなにも聴き手との距離を縮めることが出来てしまうのだろうか。彼等の奏でる一音一音は身体にすとんすとんと馴染み、じんわりと染み渡っては芯から温めてくれるのだ。

後半に披露された『高台の家』に流れた、ゆったりとした時間。『心の半分』で会場を優しく吹き抜けた風と、草の匂いや太陽まで感じられるような感覚。一曲一曲を噛み締めるようにライブは進む。そしてラストは『さらば』。メンバーの満面の笑みにオーディエンスも手拍子で応え、大きな幸福感に包まれて軽やかに本編終了となった。アンコールに応えて披露されたのは『残響』、『One More Bourbon』、『おやすみなさい』。会場を再度盛り上げ、メンバーは去っていった。

まるで友達の家に遊びに来たような感覚、アットホームで暖かな空間で極上の音楽を味わうことの出来る、正に至福の夜であった。

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