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藍坊主

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 ツアー初日、チケットはもちろんソールドアウト。これまでになく、ストレートで美しく、なおかつ力強い、しなやかなロックを奏でた新アルバム『ミズカネ』をリリースした直後1発目のライブ。今回のライブはすごかった。鳥肌が立ちまくってた。結論から言うと、「アルバムの完成度の高さを実感できるライブ」だった!

 前回のアルバムと新作の雰囲気が違いすぎて、ライヴではどうなるのか、CDだけでしかできない表現じゃないの? 今までにない裏声がメインな曲はどう表現するの? と正直不安になる部分はあった。ところがどっこい、僕の不安は一瞬にして吹き飛んだ。
 ツアー初日ってこともあり、あまり詳しく書けないが、少しだけ覗いて見よう。
まずは1曲目。hozzyがギターを鳴らし歌いだす。優しく、しなやかな歌声は会場を包み込んだ。まるでミズカネの世界、藍坊主の世界へ導くかのように。うっとりと聞き入ってしまった。曲が終わると拍手が沸き上がる。それも束の間、力強く拓郎のドラムで2曲目がはじまる。サビではお客さんも一緒に歌い、アットホームな温かいライブ会場ができあがっていた。これこそ藍坊主のライブだ。と2曲目にしてそう思ってしまった。その一体感はそのままライヴの終わりまで消えることなく続いていった。

 今回のライブでいちばん引き寄せられたのは、ライブ中盤の流れだ。演奏がはじまると照明がガラッと怪しく変わり、まるで洞窟の中にいるような、孤独な気持ちになった。そんななかhozzyは、「愛してよ」と暗闇のなかでささやくように寂しく歌う。そして次の曲。今度は宇宙に行ったかのような不思議な空間。お客さんも藍坊主が放つ空間に入り込んだかのように、ただ見守っていた。ここまでダークな世界に入り込ませる“ミズカネの世界”の広さ、藍坊主の表現力の高さに言葉が出なかった。そしてあの名曲がはじまる。優しく、優しくギターが鳴る。いままでの空間が晴れるように。この2曲をも包み込むように温かく、藍坊主と手と手を繋ぐように演奏に酔いしれた。この流れに、鳥肌が立った。ってかいい曲すぎるぞ。
 その後は昔の曲も披露してくれた。言うまでもなく名曲ぞろい。イントロが鳴った瞬間のお客さんの雄叫び、すさまじかった。あっという間に本編ラストの曲になってしまう。本当にあっという間だった。

 最後にhozzyが「また夏に会いましょう。バイバイ」と言って彼らは去っていった。彼らは去っても鳴り止まないアンコール。藍坊主に対する愛が感じられた。今も昔も変わらない藍坊主のライブの良さ、「お客さんと一体となりライブする、温かいライブ」は健在。これぞ藍坊主の唯一無二の武器であると僕は思っている。ライブ終了直後のお客さんの満足した笑み、それはライブの良さを物語っていた。
 MC中にメンバーが言っていたように、今日はじめて披露する曲たち。ツアーを回って一回りも大きくなる曲もある。夏に帰って来るとまた違う曲になる。と言っていた。このミズカネを引っさげツアーを回る。夏にはどんなミズカネになっているのか楽しみである。そしてあなたも“ミズカネの世界”にドップリと浸ってほしい。(安藤 洸希)

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