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OGRE YOU ASSHOLE

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ポップに、そしてサイケデリックに――さらなる自由を求めて突き進むオウガ・ユー・アスホール

 今年の春から、結成の地でもある長野の八ヶ岳山麓へと戻っての活動を続けているオウガ・ユー・アスホール。そこで生まれた最新作『浮かれている人』を聴く限り、そんなリラックスした環境は音にも少なからず影響を与えているようだ。ポップで柔らかなオウガ流のディスコ・トラックと言えそうな“バランス”にはじまり、穏やかな表情のラストの“真ん中で”まで、自由な彼の想像力が音からはみ出さんばかりに輝いている。音の隙間を最大限に生かした“どちらにしろ”のような実験的なトラックもさらりとやってしまったりと、その自由なサウンドには、よく彼らが言及されるUSインディの諸バンドとともに、ノイ!や中期のカンと言ったクラウト・ロックの、遊び心のあるポップでサイケデリックなサウンドの影響も、より強く感じることもできる。
 昨年末のツアー・ファイナル、もしくは3月のディアフーフとの共演でも、ここリキッドルームを揺らした彼だが、現在は9月頭にリリースされた最新ミニ・アルバム『浮かれている人』を引っさげたリリース・ツアーを続行中。そして今回もツアー・ファイナルとして10月17日にリキッドルームに登場する。また、その後、11月にはカナダのバンド、ウルフ・パレードとのUSツアーも決定している。
 日本ツアーまっただ中のオウガ、ヴォーカル/ギターの出戸にメールにてインタヴューを試みた。







── 東京は寒暖が激しいですが、長野はどうでしょうか?

出戸いま(9/25)はもう寒いです。夜はストーブをつけます。





── この5年間というのは、デビューしてから、リリースもコンスタントに続け、そのライヴの規模も大きくなるなど、めまぐるしく環境が変化していった5年だと思います。そのなかで、自分たちの音楽に影響与えたものでもっとも大きな変化はなんでしょうか?

出戸大学を出て社会人なったことと、最近の話では、4月から地元の長野に活動の拠点を移したことですかね。





── これまでの活動のなかで、ターニングポイントとなったライヴ、もしくは作品がひとつあるとすればなんだと思いますか? 理由も含めてお教えください。

出戸どの作品もそれなりにターニングポイントになってると思うのですが……あえてひとつあげるならプロデューサーの石原洋さんとエンジニアの中村宗一郎さんに最初に手がけてもらった作品『しらない合図しらせる子』(2008年)。





── 名古屋から長野に戻ったというのは、やはり最新作である『浮かれている人』の音楽的にも大きな影響を与えたものでしょうか?

出戸大きくはないと思いますが少しあります。





── ちなみになぜ、長野に戻ろうと思ったんですが?

出戸自由だから。





── 『浮かれている人』についてお聞かせください。ミニ・アルバムというフォーマットにしたのはなぜでしょうか?

出戸実験的にいろいろなことに挑戦できるのにちょうど良いサイズだと思ったから。





── 今作でも石原さんや中村さんなどゆらゆら帝国の制作チームとのタッグですが、彼らかからのアドバイスや提案などで、印象に残っていることばとかはありませんか?

出戸「困った時は声」。





── 『浮かれている人』は、これまでの作品以上に「音と音の隙間」を意識したような作品に感じたのですが、いかがででしょうか?

出戸3曲目の“どちらにしろ”は本当、最初は隙間しかなかった。





── OYAといえばモデスト・マウスなど、USのインディ・ロックの影響を引き合いに出されることが多いですが、本作には例えばカンの後期やノイ!(編集注:1)のようなジャーマン・ロックが持っている、ある種のポップでサイケデリックな”軽さ”に非常に近いものを感じるのですが、いかがでしょうか? 影響などは受けていますか?

出戸カンもノイ!も大好き。この前、ジョニー・マーさん(編集注:2)にカンを45回転で聴くとオウガみたいって言われた。





── 今回、日本ツアーの後、北米ツアーを行うようですが、リキッドルームでラストを迎える日本ツアーもまっただ中かと思いますが、現在のところツアーの感触はいかがでしょうか?

出戸今日はちょうど地元の松本でライブなんですが、ツアー初日よりも2日目の方が良かったので、毎回どんどん良くなっていくツアーにしたいです。





── 北米ツアーについては、これからという感じだと思いますが、楽しみにしていることなどありましたらお教えください。

出戸無事に帰って来れたらOK。





── ちなみにこれまでかなりの数、海外バンドとの共演を果たしてますが、いろいろ結成当時のエピソードなどが有名なモデスト・マウス以外で最も印象的なのは誰でしょうか?

出戸evens





── 日本国内で最も刺激を受けるバンド、できれば同じくらいの世代で入ればお教えください。理由もお教えください。

出戸たくさんいて選べないです





── もし世代関係なくとすれば、国内で最も刺激を受けたアーティスト言ったらどなたでしょうか?

出戸たくさんいて選べないです





── 最後にリキッドルームのライヴにいらっしゃるお客さんにひとことお願いいたします。

出戸浮かれてください。





編集注1:1960年代末~70年代に活動したドイツのロック・バンドたち。電子楽器や現代音楽の大幅な導入など、英米のロックとは違ったユニークなアプローチで、パンクをはじめ、テクノやポスト・ロックなど後の音楽に大きな影響を与えた。
編集注2:元スミス、モデスト・マウスにして現在はザ・クリブスのギターリスト。

  • 『浮かれている人』(バップ)
  • OGRE YOU ASSHOLE

9月1日にリリースされた5曲入りの最新ミニ・アルバム。今回も2008年の『しらないあいずしらせる子』以来のタッグとなる、プロデューサーの石原洋とエンジニアの中村宗一郎を起用(先日解散したゆらゆら帝国の黄金裏方タッグ)。ポップなメロディ・ラインの裏に潜む、実験的でサイケデリックな音の鳴りにさらに磨きをかけた最新作となっている。






OGRE YOU ASSHOLE
オウガ・ユー・アスホース。長野県諏訪で2001年結成。メンバーには出戸学(ギター、ヴォーカル)、馬渕啓(ギター)、平出規人(ベース)、勝浦隆嗣(ドラム)。2009年、メジャー・デビュー・シングル「ピンホール」をリリース、09年10月にはサード・アルバム『フォグランプ』をリリースしている。





そして、こちらツアー・ファイナル
10.17.SUN
OGRE YOU ASSHOLE
浮かれている人ツアー2010
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