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人生狂わす、ニクいやつ

なぜ出会ってしまったのだろう?ルーツはここにあり!?
ヤツらとの出会いによって人生狂い咲き!?そんな“ニクイ”10枚をご紹介!

黒猫チェルシー

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なぜ出会ってしまったのだろう? ヤツらとの出会いによって人生狂い咲き!?
そんな「ニクイ」やつらをご紹介。
11月4日“黒猫チェルシーのマニフェスト的ツアー”のツアー・ファイナルを迎える黒猫チェルシーの面々を狂わせた“ニクイやつ”とは? 多忙のなかをメールにてインタヴュー!




  • 『嫌んなった』(2003)
  • 憂歌団

※2003年リリース作品はCDタイトル。憂歌団『生聞59分』(1976)はアナログ・タイトル。ほか、『嫌んなった』はベスト盤などにも収録されている。

── 全10枚ということで、今回はメンバーそれぞれの2枚で8枚、バンドとしての2枚を選んで頂きました。まずはヴォーカル、渡辺大知さんの1枚目。ずいぶんと古い曲ですね。まずは渡辺さんから。
渡辺ぼくがレコードを聴くきっかけになった盤なんです。ずっとたいせつにしたい盤なのでえらびました。



── 大切な一枚とは、どのような出会いだったのでしょうか。
渡辺中学3年生のときにテレビで憂歌団をみて衝撃を受け、父に言ったところ昔からファンらしく、家にレコードがあるというので聴かせてもらったのが最初です。それがぼくのはじめて聴いたレコードの音なので、曲はもちろんのことですが、スピーカーからでてきた音そのものにやられた気がします。



── 最近聞き直す、ということはありますか?
渡辺ひとり暮らししてから家にプレイヤーがなく、2年ほど聴いていません。はやく実家に帰って鳴らしてあげたいです。



── 渡辺さんが感じる憂歌団の強い魅力とはどこでしょう?
渡辺ボーカルのしゃがれ声の魅力にとりつかれました。バンドやるときはこんな声でやりたいと思わされました。でも無理でした。



── レコードを聴くきっかけの1枚、ということですが、この頃、他にはどういうものを聴かれていたのでしょう。
渡辺同時期に聴いていたのは高田渡さんとかですね。



── なにか特別な思い出やイメージなどはありますか?
渡辺レコードを実家の自分の部屋にずっとかざってました。畳がよく似合っとりました(笑)。

  • 『Abbey Road』(1969)
  • THE BEATLES

── 憂歌団からビートルズとは結構飛びますね。こちらを選んだ理由とは?
渡辺僕がはじめて買ったレコードだからです。これもずっと大切にしたい盤なので、選びました。小さなころからビートルズは好きで。でもこのアルバムは聴いたことがなかったので、高校生のときにどうせならレコードで聴きたいと思って買いました。A面もB面も最初から最後まで好きです。楽器の音にやられました。あー、思い出して鼻血でそうです(笑)。



── 「初めて買ったレコード」という響きが端々しくて素敵ですね。
渡辺高校生のときだったので、このレコードを買いにいったときすごく店員さんに「いまさらかいっ」て顔される気がして、レジにもっていくのが怖かったのを思い出します。これも2年ほど聴けていないので、はやく実家に帰って鳴らしてあげたいです。



── 言わずもがな、とても刺激的なバンドだと思いますが、演奏や曲作りなど、影響を受けている部分などはありますか?
渡辺演奏よりも録音するときや、したあとのミックスのときなどに影響がでてるかもしれません。わかりません。



── 関連して聴いていた音楽などはありますか?
渡辺ビートルズに影響うけたであろうミュージシャンの音楽はいっぱい聴いていると思います。

  • 『Live At Wembly’86』(1992)
  • QUEEN

── お次はギター、澤さんの2枚です。クイーンの最後のツアーの音源ですね。
ロックというものに初めて出会ったのが、このライブの映像でした。



── この盤との出会いはいつだったのでしょうか。
小学4年生の時でした。BSでこのライヴの映像が流れていたものを観て、とにかく、大人数の前で演奏をしていて歓声を受けている姿に惹かれ、バンドを組もうと決めました。



── ロックとの出会い、ということは当時、相当衝撃的だったのではないでしょうか。
このライヴ映像を初めて観て以来、弟とフレディー・マーキュリーの物真似をして遊んでいました。



── いまでも聴きますか?
このCDはいまでもよく聴いています。“One Vision”(1曲目)のイントロのギターでいつも鳥肌が立ちます。とにかく、クイーンはメロディが世界一素晴らしいバンドだと思います。



── クイーンの澤さんへの影響はどのようなものでしたか?
例えばギターのリフであったりとか、あとはその他のハードロックを聴くきっかけになったバンドでもあり。ハードロックが自分の基盤になっているという点などでしょうか。



── ハードロックの基盤、というとクイーンのあとはどんな変遷を辿っていったのでしょう。
ボン・ジョヴィはこの直後にはじめて聴きいて、いまでも好きなバンドでもあります。あとはエアロスミス、キッス、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリン、ヴァン・ヘイレンなどなど、中学生にかけてこの辺のバンドばかり聴いていました。

  • 『Albert Hall Experience』(2001)
  • JIMI HENDRIX

── ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのイギリスでの、これも最後のコンサートを収録したものですね。
中学生のころにはじめて聴きました。いきつけだった怪しい(笑)レコード屋にこのCDが置いてあり、名前は聞いたことがあったので、気になって買いました。まず、「ギターだけでこんなに長い時間引っ張るかー!」という衝撃を受けました。あとは音ですね。



── こちらもかなり衝撃的な出会いのようですね。
ギターを好きになるきっかけとなった1枚であり、人物です。いまでもたまに聴いてはひたすら圧倒されています。ちょうどこのCDに出会った頃にバンドがスリーピース編成になって、真似事みたいなことをやっていました。15分ギターソロ弾いたり。



── 多くのギタリストに影響を与えた方だと思いますが、澤さんとしては如何でしょう。
半分以上はこのひとから影響受けているといっても過言ではないです。ファズ、ストラトキャスター、マーシャル、チョーキング、ハンマリング、フィードバック、派手な衣装……。



── 同じように魅了されたアーティストなどはいますか?
レッド・ホット・チリ・ペッパーズですね。ジョン・フルシアンテのギターもよく聴いていました。

  • 『青春の輝き-ベスト・オブ・カーペンターズ』(1995)
  • カーペンターズ

── では、ベースの宮田岳さんの2枚です。カーペンターズのベスト盤ですが、オリジナル・アルバムではなくてベスト盤なのは何故でしょう?
宮田兄に聴かせてもらったCDです。これ以降、音楽漬けになっていきました。



── お兄さんの影響でもあるんですね。
宮田我が家で兄と聴いて盛り上っていました。そのときに子供ながらにいいなぁと思いました。



── では、いま感じるカーペンターズの魅力とは?
宮田リチャードがかっこよい!



── 現在の活動に繋がる部分などありますか?
宮田多彩な楽器選び。好きな音とかもカーペンターズに影響を受けていると思います。

  • 『Blood Sugar Sex Magik』(1991)
  • RED HOT CHILI PEPPERS

── 名曲“Under The Bridge”、“Give It Away”も収録の5枚目のアルバム。こちらとはどのような出会いでしたか?
宮田中学くらいのときに、福井の田舎道で出会いました(笑)。聴いてから、チリ・ペッパーズが憧れの存在になりました。



── 改めて聴きなおしたときの印象などはどんなでしたか?
宮田センチメンタルでした。



── 影響を受けた部分などはありますか?
宮田裸で演奏する。



── 実践されたのかが気になるところです……。

  • 『Just Push Play』(2001)
  • AEROSMITH

── お次はドラム、岡本啓佑さんの1枚目です。どのような理由があってのこの1枚なのでしょう?
岡本バンドにのめり込むきっかけでした。12歳のころ、バンドをはじめた頃に、たしか澤に教えてもらったはずです。馴染みのなかった舶来サウンドに「これがロックかー!」と興奮しました。ドラムをはじめてすぐのころに出会ったので、演奏には結構な影響があったと思います。



── 他のエアロスミスの作品への印象などはどうでしょうか。
岡本昔のアルバムを遡って聴いて思ったのは、老けても歳をとっても枯れることなく、トゲがあって、そのうえエアロスミスの持っていたポップ感、キャッチーさが爆発してて、すげえなあって思います。『Just Push Play』に関してだと、国内盤をずっと聴いてたんですが、最近、輸入盤にしか入ってないトラックがあると知ってかなりがっくりきました。



── 澤さんの紹介が大きなきっかけだったんですね。
岡本ボン・ジョヴィも同じ時期に教えてもらって、同じように盲目的に聴いてました。

  • 『Little willies』(2006)
  • THE LITTLE WILLIES

── ノラ・ジョーンズが2003年に結成したバンドですが、こちらの魅力とは?
岡本このCDを聴いて感じた、嫌みの無いラフさに憧れました。ギターの音の外れ具合とか詰まらせ具合とか、絶妙だなーと思います。



── 出会いのきっかけは覚えてますか?
岡本4,5年前ですかね。これがリリースされたときに、たまたまCD屋で試聴しました。どこにやられたとかはあまり詳しく覚えてないんですが、「これだ!」と思って即レジに並んだ記憶があります。両親がカントリー・ミュージックをよく聴いていて、僕も小さい頃好んで聴かせてもらっていたそうなので、そんな影響もあってこのCDにビビッときたのかもしれないです。



── ラフさに憧れた、とのことですが、そういう音を目指したりはしますか?
岡本活動にはあまり影響はないかもしれないです。どちらかと言うと老後に影響を与えそうな気がします。



── なにかこの盤に関して印象的なエピソードなどはありますか?
岡本移動のときとか散歩する時なんかは大体聴いてるので、いろんな風景の思い出がありますね!

  • 『ALIVE!(邦題:地獄の狂獣 キッス・ライヴ)』(1975)
  • KISS

── 以下2枚はバンドとして選んでいただいたものです。このアルバムとのバンドとの関わりはどういったものでしょう。
メンバーキッスは中学生の頃に組んでたバンドでコピーしたりしていました(渡辺以外)。ギターの澤が印象的なリフなど、参考になる部分が多いということで紹介しました。



── 中学生のころに親しんだようですが、いまでも聴きますか?
メンバーいまでもつねに聴いてるほど、好きなバンドです。シンプルなリフや印象的な音に影響を受けましたし、とにかくよく聴いたアルバムなのでいまでもハード・ロックに出会ったことを思い出します。

  • 『どじょうのぼりうなぎすくい』(2006)
  • 家出少年

── 最後の1枚は、神戸のインディーズ・バンドのファースト・フル・アルバムです。
メンバーこのバンドは黒猫チェルシーを組むきっかけになった神戸のバンドで、全員が共感して聴いていた作品です。いまでも神戸に帰ったときには、観に行ってるほどずっと好きなバンドです。



── バンドを組むきっかけ、とはターニング・ポイントともいえますね。
メンバー姿勢やパンクというものを教わりました。



── 音楽性への刺激として、影響を受けた部分はありますか?
メンバー日本のパンクというものを知るきっかけになりました。それによってスターリンやINUなどを聴くきっかけになりました。



── 具体的な、印象的な出来事などはありますか?
メンバーはじめて家出少年のライヴを見たときにボーカルのジョニーさんが全裸で歌ってたことを鮮明に思い出します。

── 最後に近況をお聞かせ下さい。2009年12月ミニ・アルバム、2010年5月26日にメジャー・デビュー・アルバムがリリースされました。次回作のリリースが待ち遠しくなってきますが、次回作についての動きをお聞かせ下さい。
メンバー次のアルバムに入れる楽曲を制作中です。今回のライブツアーでもやるかも!楽しみにしていてください。



── 結成、東京への拠点移動、リリース、メジャーデビューと丸3年強でさまざまな出来事があったと思いますが、そのなかで自覚する変化はありますか?
メンバー作るうえでも聴くうえでも、音楽に向き合う時間が増えたので、自分が本当に好きな音というものが何なのかを考えるようになりました。



── 生活拠点を移した生活全般のなかで、いま一番気になっていることってなんですか?
メンバーなぜ東京にはこんなに人が多いのか気になっています。



── 今年の夏はツアーやフェス、様々なライヴで日本各地に足を運ばれたと思いますが、その中で一番おいしいものって何でしたか?
メンバー香川の夏フェスで出たケータリングのうどんです。



── 来る11月4日のライヴは“黒猫チェルシーのマニフェスト的ツアー”というネーミングですが、「マニフェスト(声名・宣言)的」、一番はライヴで体感していただくとしても、あえて言葉にするなら、どういう言葉・宣言になりますか?
メンバー『挑戦・本気(マジ)』



── ツアー・ラストのリキッドルーム公演では“サムシングスペシャル”を計画しているとのことですが、全容が明らかになるのは当日でしょうか? もし少しでも計画について教えて頂けると……!
メンバー普段と違う雰囲気でライヴをします。それしか言えません!



── それでは、当日を楽しみにしております!

黒猫チェルシー

渡辺大知(Vo)、澤竜次(Gt)、宮田岳(Ba)、岡本啓佑(Dr)。2007年3月、地元神戸にて結成。2008年日本テレビ「音燃え!」に 出演した際にも多くの話題を集めた。2009年春、高校卒業後拠点を東京へ。同年、1stミニアルバム『黒猫チェルシー』、セカンド・ミニ・アルバム『ALL de Fashion』、2010年5月26日の『猫Pack』リリースと共にメジャー・デビュー。精力的なリリースの他、数多くのフェス出演、全国ツアーなども行っている。また渡辺は出演映画「色即ぜねれいしょん」にて日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
www.kuronekochelsea.jp




  • 『猫Pack』(SONY)
  • 黒猫チェルシー

今初夏リリースの、入門アイテムともいえるメジャー・デビュー・ミニ・アルバムは、彼らの持つ幅広く奥行きのある音楽センスを端々に迸らせた1枚。ガレージ、ロックンロール、ファンク、ブルースなどを巻き込み、黒猫サウンドとして改心の一撃を放っている。オリジナル音源は勿論、ライヴ音源、そして渡辺がニクいやつで言及した憂歌団『嫌んなった』のカヴァーも収録。初回盤にはライヴ映像ほかスペシャル映像60分DVD付き。

11.04.THU
黒猫チェルシのワンマン公演!
「黒猫チェルシーのマニフェスト的ツアー」
詳しくはコチラへ

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