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次々溢れる色鮮やかな音のアンサンブル

「ようこそみなさん、楽しめよー!」威勢のいい大声を放ちジャンプ、ジャンプしながら心地よくも楽しいジャム・セッションでステージに現れたのは、ツインギター、ベース、ドラムの4編成からなるインストゥルメンタル・バンドrega。今回は、セカンド・アルバム『Lyrics』のリリース・ツアーで全国をまわってのファイナル公演。

 regaを例えていうならば、「おもちゃ箱をひっくりかえしたようなバンド」だ。その上、そのなかにいた人形たちが踊りだすような。regaの産み出す、次々と飛び出す予測不可能な上下左右に跳ねるカラフルな音色。つかまえようと追いかけるとするりと逃げてしまうような、いたずらで戯けた愛くるしい音たちが聴いているものを惹きつけ、心も体も躍らせる。遊び戯れるようなステージングでどんなステージをもホームに変える自由奔放さはわたしたちの緊張まで解きほぐし、周りをすべて笑顔に変える。

「このツアー中、何回も言うてんけどな、このファイナル恵比寿来た人は勝ち組や! って」井出の言葉が示すように最高のステージを見せてくれたわけだが、これには裏話もあったようで。実は、このリリース・ツアー当初の予定では、ギターの四本はこのリキッド公演を最期に脱退の予定であったと。しかし、このリキッド公演では四本の脱退の知らせはなかった。彼の心を変えたのは、このツアー中各地で触れ合ったバンド、そしてお客さんたち。周りのあたたかさが、四本に「おれ、ギター弾きたいっす!!」と涙とともに言わせたのだ。そして、そのあたたかい仲間たちをたくさんたくさん増やしているのこそ、rega張本人。彼らの音楽は、ここにいるすべての人が、物が、昔からのともだちであるかのように感じさせるのだ。重なり合う音の引力。歌詞がなくたって、言葉がなくったってこんなに人のこころを鷲掴みにできる。このバンド。なんて魅力的なのだろう。

 『Lyrics』の曲を中心に、中にはショパンのトリビュートアルバムに収録された“夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2”まで持ち曲からたっぷり存分に楽しめるセットリストで大満足の2時間、終わると見せかけてまた音を溢れさす末尾のジャム・セッションまで、終始一貫どきどきわくわくを止ませないステージで魅せてくれたrega。客電がついてもなかなか鳴り止まないダブル・アンコールの拍手に、溢れる愛を感じた。(知念正枝)

<セットリスト>
intro-jam
1.Gossip
2.IMPACT!
3.Q
4.Mr. MARLOWE
5.pepo
6.endoor
7.comedy
8.secret garden
9.夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2
10.U.W.A.h
11.hills
12.Aurora
13.KUMA
14.VIP
15.Dress
16.Smile
17.Orange

encore
1.Onepiece
2.JOG
Outro-jam
110213_photo
Photo by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

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