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LUVRAW & BTB

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あの夏の日へ
——メロウな追憶、セカンド・アルバム『HOTEL PACIFICA』

「もう秋になっちゃった」
 LUVRAW & BTBのふたりも敬愛する、ハマの音楽の大前提、Crazy Ken Bandの名曲のタイトルを借りれば、まさにアルバムを録り終えたふたりの頭をよぎったのはそんな言葉ではあるまいか。待望のLUVRAW & BTBのセカンド・アルバムが届けられた。意外なことに、発売はすでに夏の気配すら消え去った10月も半ばに入った頃だ(10月19日リリース)。それは夏のパーティの喧噪の裏で、この夏を通して作られたからだ。言ってみれば、まさに2011年の夏からの贈り物でもある。2010年、「ON THE WAY DOWN」、そして続くファースト・アルバム『ヨコハマ・シティ・ブリーズ』でブレイクを果たし、まさに大きく飛躍し、活動の場も格段に広がった。そのなかで培われたアーティストとしての芯の部分、そのオリジナリティを失わずにより強固になったことが伺える、そんなセカンド・アルバム『HOTEL PACIFICA』。
 そういえば、冒頭で紹介したCKBの楽曲にはこんな歌詞がある。
「夏に戻ろう/心に夏を呼び込んで夏と眠ろう/この長い夜をどうにかしなけりゃ/休みを取るぞ 旅に出かけよう/Fly Away 音楽で……」
 まさに本作『HOTEL PACIFICA』は、夏の追憶への扉を開ける、そんなときにうってつけのアルバムだ。
 そう、彼らの音楽で“あの夏”へ戻ろう。

(10/18(火)Time Out Cafe & Diner(LIQUIDROOM 2F)にてミニ・リリース・パーティ決定!詳細は記事の最後に!)


── 昨年のファースト・アルバムのリリースによって、活動の場も、視野も広がったりというのがあったと思うんですが、評判の良かったファーストからセカンドを作るにあたって難しさみたいなものを感じたことはありました?

BTB評判が良かっただけにね。やっぱり、プレッシャーじゃないけど。

LUVRAW今回はファーストでできなかったことをやるっという意識が高くて。あとはファーストのときは、すでにそれまでライヴでやってた曲と、やっぱり“ON THE WAY DOWN”がデカかった。そこに足りない曲を作るという感じで。でも、今回は本当にゼロからアルバムを作ったから、単純な作業量的な部分も、もちろん考えることも多くて。

BTBあと、ファーストはカシーフ(ギターのSTRINGSBURN)くんに、できてるトラックの上にのっけてもらうっていうのが多かったんだけど、今回はトラックを作るはじめの段階から一緒に来てもらって一緒に作りはじめて、そこから組み立てるという。



── 端的に言うとファーストのときだとトラックメイカー+トークボックスみたいな感覚だったのが、カシーフさんが加わって、バンド全体で作るみたいな感じになったんですかね。

LUVRAW本当、音楽的な作り方になったんじゃないかな。



── 今回、率直な感想言わせてもらうと、今回はセカンドらしいセカンドというか、1枚のアルバムを正攻法で作ったという感じがしていて。流れもふくめて。ファーストはある意味で、それまでやってきたことをまとめたコンピ的な感覚があって、セカンドはアルバムという作品にむかって作っていったというのがひしひしと伝わってきて。そのあたりの意識はどうだったのかなと。

LUVRAWそれは意識しましたね。

BTBもともと曲があったわけじゃないからこその、全体的に一緒に作っていったというところでそうなったんじゃないかと。

LUVRAW今回はひとつの作品として作りたかったし。

BTB今回はジャケットのアートワークもかなり早い段階からできてて、そのイメージも含めてトータルでできていったという感じがあって。



── ■じゃあ、はじめて作ったトータル・アルバムみたいな感覚?

LUVRAWそうですね。ファーストははじめてのことで、作った後ですらよくわかってないような状況だったんで(笑)。それがあってのセカンドということで。7月に、ぐわっと作りはじめたときに考えてたのは、流れでイイ物作りたいと思ってて。それは「良い曲をバンバン入れていきたい」とか言うよりも。曲の作り方はそんなに変わってはないと思うんすけど。



── ファースト・リリース以降はわりと来日アーティストとの共演とか、この前の〈ライジング(RISING SUN ROCK FESTIVAL)〉まで、かなりライヴの幅も広がったと思うんですが、その辺のフィードバックで影響とかありました??

LUVRAW「こういうところでやるから、こういう曲を作る」とかよりも「あそこのパーティがすごい良いパーティだった」っていう部分がすごい原動力になってて。そのなかから良い物を出したいっていうのがあって。いろんなパーティに出てて、意識せずに、そこで受けたいろいろなものが貯まっていってるとは思うけど。

BTB地方に行ったり、色んなナイスパーティの影響は確実にあると思う。具体的にどこがっていうのは言葉にしづらいんだけど。ただ変に「アウェイでやる用に」みたいな部分で作ってるのはないからね。

LUVRAWそこは意識してないかな。影響はあると思うけど。

BTBでも、今回は単純にライヴでやりやすい曲というのはあったかも。

LUVRAWそれもあるし、反対に「再現できなくても良いや」っていうことも、「ばっちりここはライヴで歌いこみたい」というところとか、とにかくライヴを意識して作ってた。

BTBあと今回は曲ができてくるときに「こういう曲があるから、こういう曲が欲しい」とか後のほうで構築していく感じで。



── アルバム1枚としての辻褄を合わせるような?

BTBそうそう、まさしく(笑)。

LUVRAW本当に1枚目が変にベスト盤っぽかったから、トータルで1枚聴けるのにしたくって。それぐらいですね。



── 全体的に難産でした?

LUVRAW難産っていうと、まったくアイディアが出てこなかったって感じに聞こえるんだけど、俺の場合、今回はいろいろ出て来て、でも「これは違う、これも違う」って感じで定まらなかったっていう感じだったからちょっと違いますね。気負いしてしまった部分だと思うんですけど。完全に自分との戦いになって(笑)。それから、負けて、負けて、また見つけてって感じで。最初は9月14日発売の予定で考えてたんですけど、それに無理矢理にでも間に合わそうと思えば、できたのかもしれないんですけど。

BTB最初の方はふわふわしすぎてた。方向性もいまいち定まらなくて。



── 逆に良い方向にいった転機みたいなのは?

BTB8月中旬の〈ライジング〉周辺で、夏の曲がパパっとできた感じかな。っていうか、それが転機だったかも。そこらへんから開き直れたというか、楽しんで作れるようになった。

LUVRAWでも、俺は帰ってきてからもその悩んでる状態みたいなのひきずったかなあ。最後の曲で悩んでたんだけど、それが解決したのが弁天(江ノ島で開かれている〈弁天ROCKERS〉)以降。



── そもそも最初の予定の9月にしても意外な感じで、夏前に出すのかなと思ってたんですけど。

BTBもともとは4月にはじめて、7月に出してとか考えてたんだけど、いろいろあってズレて、ふわふわはじめてだんだん固まっていったと。

LUVRAW去年8月だったから、夏遊ぶためには7月に出さなきゃとか言ってたんだけど、7月は全然無理ってなって、最初ディレクターからは制作のスケジュール上10月って言われたんですけど「10月なんて遅い!」とか言ってて、「9月で、9月で」って言ってたら、結局冷静に判断して「9月、無理!」で10月に(笑)。

BTBで、10月になってしまったから“思い出しエクスタシー”で、夏を思い出すっていうコンセプトでまとまるっていう。



── 今回のゲストですが、メンツ的にはいつものPPP(Pan Pacific Playa)勢と、ジャジスポ(Jazzy Sport)勢、それとPSGのふたりっていう感じだと思うんですが、この3方面のアーティストっていうのは念頭にあったんですか?

LUVRAWコウジさん(grooveman Spot)は、単純にすばらしいと思ってて、絶対やったら間違いないと思ってたんで、それはみんな勝手に普通に思ってましたね。絶対やりたいっていうのはあって。



── S.L.A.C.K.とPUNPEEは?

LUVRAWそんなに今回はラップいらないなと思ってたんだけど。自分たちが簡単にライヴできなくなるし(笑)。そういうところだったんだけど。

BTBあの天才たちはね、やっぱり一緒にやりたかった。それと今回はそれぞれソロで1曲づつやって欲しかったんですよ。前回“In Da Club”でふたり一緒にやってもらってたんですけど。



── “太陽のシワザ”で歌ってるのは誰なんですか?

LUVRAWアレもPUNPEEくんですよ。



── 才人ですね。トラックもラップも歌もってなんでもできるじゃないですか。

LUVRAWそうすね。S.L.A.C.K.くんも勿論どっちもできますからね、兄弟揃ってすごいです。



── リリックに関しては事前になにか打ち合わせとかは?

BTBもう、ほとんど僕らでトークボックスのっけて、歌詞を渡してそれに沿う形で「まかせます!」という感じで。

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