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シネマのネクストステージの扉は開かれた。リベンジワンマン完遂!!!!

 今夏に行われたリキッドルームでのワンマン・ライヴで間髪入れずに発表され、10月から行われた全国ワンマンツアー、4th mini album「SALVAGE YOU」release tour“夜は短し歩けよ辻”、そのファイナル公演。前回のワンマンでvo.gt飯田がギターアンプのトラブルに見舞われ、やむなくライヴを中断してしまった彼らにとっては『リベンジ』となった今回。結果として無事トラブルもなく雪辱を果たしてくれたのはもちろん、また大きくレベル・アップしたシネマスタッフによって紡がれる音の粒子は輝きを増しまくっていて、夏からの活発な活動の成果をしっかり見せつけるような、バンドのいまの充実が素直にサウンドに現れるステージとなった。

 「今日はあなたたちを救出(=salvage)するためにやってきました」というba.三島のMCが象徴するように、4th mini album『SALVAGE YOU』からのナンバーが軸となった今回のセット。新曲を2曲も含む本編18曲、アンコール3曲、全21曲というヴォリュームたっぷりの2時間だったにも関わらず、シネマの鉄壁アンサンブルに身を任せていたら本当にあっという間だった。
 序盤は“into the green”、“奇跡”、“ニトロ”・・と一気に加速するポップ・ロック・ナンバーを連発。器用にコーラスを挟みつつバンドの重心を支えるba.三島と、dr.久野の繰り出す時に変則的な、時にマシンガンのようなビート。それがステージ中央にてギターを大きく振りかぶり、転げ回りかけ回るgt.辻のアグレッシヴなフレーズと相まる轟音アンサンブルが最高に気持ち良い。普通ならもうそれだけでいい、というか、ヴォーカルなんて聴こえなくても成立してしまうくらいの細かいアレンジと曲展開でバンドが聴かせているのだが、彼らはそうじゃない。そこに奥行きと艶のある飯田の歌が完璧なる指針となって曲全体を貫いている。シネマだからこそのバランスというか、エモ、ポストロック、オルタナ、インディー・ロック・・といった自らの音楽体験を、4人だからこそ成り立つポップネスをもって昇華しているところがシネマらしさとなって、会場を爽快に響き渡る。
 中盤はスケールの大きい寓話的な世界観を表現する“warszawa”や、情念的なヴォーカルが切ない“制裁は僕に下る”というような夜を深く潜っていくようなナンバーで聴かせつつ、終盤は“白い砂漠のマーチ”“WARP”“優しくしないで”と激しく畳み掛け、本編ラストの“salvage me”へ。美しく力強いバンドサウンドにのって、儚い詞世界がじんわりと優しく染み入っていった。
 アンコールではシネマ節の効いた鮮やかなサビが印象的な、彼らのネクスト・ステージを感じさせる新曲を披露。そして鳴り止まない歓声に後押しされて、最終的にはダブル・アンコールまでやってのけてくれた。興奮が最高潮に達したであろう辻がパンツ一丁でステージを去ったのもご愛嬌。

 「俺らはやっぱり自分の足で稼ぎたい、来年以降もどんどんもっともっとライヴをしていきますんで・・・期待していてください!」と三島は力強く語ってくれた。そう、彼らは間違いなくライヴ・バンドだ。それはメジャーへと活躍の場を広げたいまでも変わらない。そしてスピードを上げてどんどん強靭になっていくシネマを、これからも追いかけていきたい!そんな胸の高鳴る素晴らしい一夜だった。(山田佳緒里)

この公演のライヴ写真をFACEBOOKにて公開!こちらも併せてご覧ください!!
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