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~60th Anniversary~“Oyaide Electric Live”

~60th Anniversary~“Oyaide Electric Live”

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良質な音を求める者たちの素晴らしき宴

みなさん、オヤイデ電気をご存知だろうか?高品質なオーディオアクセサリーを製造販売しており、エンジニアやミュージシャン、DJなどプロフェッショナル仕様のブランド「NEO」など、多岐に渡るプロダクトで独自の歩みを続けているメーカーだ。数多くのミュージシャンや音楽ユーザーに愛されているオヤイデ電気がめでたく60周年を迎え、それを記念したライヴイベントが開催された。MCには□□□の村田シゲを起用し、面白おかしくオヤイデ電気の歴史や製品、本公演に出演するアーティストとの関わりについて紹介。トークが冴え渡り、会場を爆笑の渦に巻き込んでいた。

本イベントの最初を飾るのはSOIL&”PIMP”SESSIONS。ホーンの音色が空間を切り裂くように鳴り響き、情感豊かに大人の色気やダンディズムを放出している。社長の拡声器を使ったアジテートで観客を存分に煽り、会場の雰囲気は高まっていくばかりだ。様々な楽曲をアヴァンギャルドかつ狂気的な演奏で見せ付け、大いに盛り上げてくれた。

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お次はクラムボンが登場し、フィッシュマンズのカバー「ナイトクルージング」からスタート。自分たちのサウンドシステムを保有するほどに、音へのこだわりの強いバンドだが、ケーブルは全てオヤイデ電気のものを使用しているとのこと。飽くなき音への探求の結果、辿り着いたのがオヤイデ電気の製品だったということだ。「伝えたい音が届いている、というのが分かる。こんなに嬉しいことはない」と、数多くのライヴをこなしている猛者も思わずニヤけるほどに良質な音でライヴを展開。「はなればなれ」、「バイタルサイン」などの代表曲が優しく透き通って伝わり、グルーヴが立体的に迫ってくる。「folklore」で観客の合唱が続く中、「またやりましょう!こんなに気持ちいい体験は滅多にない」とステージから颯爽と去っていった。

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そしてMCタイムではタワーレコード「NO MUSIC NO LIFE」の写真を手掛けていることでも有名なフォトグラファー、平間至氏もトークで参加。自身もベースを弾くとのことで、オヤイデ電気製品への深い愛を熱く語るが、そのマニアっぷりは驚嘆すべきもの。今回のために撮りおろした豪華フォトブックのプレゼントも、会場を訪れた人への嬉しいお土産である。

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本イベントのトリを飾るのはtoe。圧倒的な演奏力を豊かなイメージと連結させ、カオティックな世界観へと誘うグルーヴを表出させる。メンバー同士で最上級の音を求め合い、宇宙のように膨張し続けるサウンド。緊迫感みなぎる演奏で、観るものの耳目と心をガッチリと掴み、「日本にもこんなバンドがいるんだ!」と、声を大にして叫びたいほどに圧倒的なライヴを見せ付ける。ラスト2曲からは原田郁子がゲストヴォーカルとして加わり、「青い闇をまっさかさまにおちてゆく流れ星を知っている」でさらなる深遠な音の領域へと突入。そして締め括りに相応しいナンバー「グッドバイ」でイベントが終了。

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オヤイデ電気のケーブルなどを贅沢に使用したライヴセットは、サウンドのクリア度が格段に違う。今まで観たライヴイベントの中でも一、二を争うほどに素晴らしい音。これだけ音がいいと、本当に実力のあるアーティストしか通用しないので、ある意味、本物であるかを試される踏み絵のようだが、今回出演したアーティスト全てがまったく期待を裏切らない、最高のパフォーマンスを披露してくれた。ライヴが生き物であることを証明してくれた一夜。今回だけとは言わずに、ぜひとも定期的に開催してほしい。心底、そう思わせてくれるイベントだった。

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