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デビューする自分への応援歌を森高さんに歌ってもらいました

神戸在住、平成生まれのトラックメーカーtofubeatsが2013年11月13日、満を持してメジャーデビューを果たした。インディーズながらアルバム「lost decade」はiTunesで総合チャート1位を獲得。アイドルへの楽曲提供、錚々たるアーティストのリミックスを手がけ、シーンで中心的な存在となっている。メジャーデビューEP「Don’t Stop The Music」は、森高千里をボーカリストに迎えた「Don’t Stop The Music」、神聖かまってちゃんのボーカリストの子とフューチャリングした「おねがい検索」、tofubeats自身がカバーしている桜田淳子の「神戸で逢えたら」の3曲を収録。そのほかに、それぞれのリミックスも収録された豪華版だ。デビューすることへの心境、これからの活動について伺った。

── メジャーデビューおめでとうございます。今の心境はいかがですか?

tofubeats作ってから世に出るまでタイムラグがあったので、その間不安でした。今までは、作ったらすぐにネットにアップしていたから「どう思われるだろう」って自分のなかで考える時間がなかったんですよ。だから今回、情報解禁までの間は不安が募りましたね。でも、できるだけ早い段階で解禁できるように動いていただいたので、その点はよかったです。

── PV公開もSoundCloudへの配信も発売前に公開されていましたよね

tofubeatsワーナーさんには、けっこうフレキシブルに主張させていただいています。できた曲を作っている時間よりも手元で寝かせることに慣れていないこともあって、それがけっこう苦しくて。自分のモチベーションも下がっちゃうんですよ。そこは考慮していただきました。森高さんサイドもありがたいことに許可してくださって、感謝しています。

── 作ったら、すぐに世に出したいっていうのがあるんですね。

tofubeatsツイッターみたいな感じですね。短くてもいいから発信したい。中学のときに音楽制作を始めてから、ずっとそうやってきたんで逆に待つことが新鮮。今後は、アップできない案件も増えてくると思うんですけど、そうなったら別に作った曲をネットにアップしたりとか、ライブ用に新しいリミックスを作ったりは並行してやっていきたいですね。個人的にやっているものに関してはメジャーデビューしても継続したいと思っています。

── 森高さんには、曲を作る前にお会いしたんですか?

tofubeatsレコーディングのときに初めてお会いしたんですよ。

── 制作の前にはお会いしなかったんですね。

tofubeats森高さんの印象が入っちゃうと森高さんの曲になりすぎちゃうと思ったので。声とか名義でもパワーがあるから、曲のなかには僕が言いたいことを入れました。森高さんのイメージといいバランスになっていると思います。

── 曲のテーマはあったんですか?

tofubeats森高さんとコラボレーションさせていただくにあたって、デビューする自分を応援してもらいたいっていうエゴがあって(笑)。結果、いろんな人の応援になるような曲になればいいなっていうのがありました。今回けっこう難儀で…。ずっとできなかったんですよ。それこそ締め切り日ギリギリにできあがったんです。だから自分自身の切羽詰まり感も出ていますね。でもそれがあったおかげで、真っ直ぐなメッセージが出てきたんだなって思いました。

── 森高さんの反応はどうでしたか?

tofubeats新鮮みたいなことは言っていましたが、深くは聞いていないです。だから気になっています(笑)。

── 森高さんの曲は、参考にされたんですか?

tofubeats森高さんをイメージしたところはあります。いつもはリズムのアプローチを複雑にするんですけど、あんまりそういうことをしなかったですし、聞きやすくなるよう意識しました。森高さんの曲と並べても変にならないようにしたいと思ったんですよね。

── とくにこだわった部分はありますか?

tofubeats聞き所を作るところです。0秒の部分とか、いきなり森高さんってわかるじゃないですか。森高さんが「Don’t Stop The Music」って言うだけで、超フックになる。あれは、すごく意識しました。

── 「おしえて検索」は、の子さんをイメージされているんですか?

tofubeatsこれはEPを作る前から先にあった曲なんです。それで、の子さんが合うんじゃないかと思って、オファーしました。

── すごく、の子さんとマッチしていますよね。

tofubeatsそうなんですよ。あそこまできれいにハマることってなかなかないと思うので、うれしかったですね。正直、の子さんの声ってディストーションかかった声しか聞いてなかったんですけど、裸で聞いてもめっちゃ歌心がある人なんやなぁって思いました。勢いでいかなくてもボーカリストとして、すごいですよ。けっこう芯を持ってやってくれたのも感謝しています。レコーディングに立ち会っていないので編集したものを聞いて後から「違うな」っていうのが返ってくることがあるんですけど、そういうことも一切なくてよかったです。

── の子さんにはお会いしていないんですか?

tofubeatsメールのやりとりだけですね。PVの映像もレコーディングしているときのものを撮影していただいて、それを僕がざっくばらんに合成をしたんです(笑)。

── PVといえば「Don’t Stop The Music」もある意味衝撃的でした。

tofubeatsあれは監督のアイディアなんですよね。監督の森さんは昔からの友だちなんで僕のツボとかもわかっていて。喫茶店で「tofubeatsくん、今回はどういうPVがいいの?」って聞かれて「女の子がいいです」って言ったんですよ。僕の注文はそれだけ。そしたら「tofubeatsくん、また女の子かぁ」とか言いながら、あげてくれたコンペが子どもの案だったんですよ。僕役も女の子がやるっていうプランで。僕役と森高さん役、パーティーガールたちも監督がオーディションで選んだ子たちです。

── tofubeatsさん役の女の子、DJパフォーマンスが見事でした!

tofubeatsノリ方も僕より、ぽいんですよね(笑)。DJブースに入った彼女の立ち振舞いを見て、どよめきが起こっていました。

── 最後にtofubeatsさんが登場するのもすごくよかったです。

tofubeats本当は出たくなかったんですけど、PVでは僕が最後、オチで出てくるのが定番になっているというか。勝手にそうなっているので(笑)。醤油かけられたりとか。監督がかっこよく撮ってくれたから、よかったです。

── 3曲目の「神戸で逢えたら」は、ご自身で歌っていらっしゃいますが、ボーカルと立てるときと自分で歌う場合に曲作りの違いはあるんですか?

tofubeats基本的には自分で歌って作るので、そんなに大差はないです。いつも、誰かに歌ってもらいたいって思いながら作ることが多いですね。

── 女性と男性ではどちらに歌ってほしいとかあるんですか?

tofubeats女性ボーカルに歌ってほしいというのがあるかな。だから、の子さんにお願いしたのは稀だと思いますね。

── たしかに、tofubeatsさんの曲って女性的なイメージがあります。胸キュンなフレーズもあったり。女心は、どこで学んでいるんですか?

tofubeats女心なんてわからないですよ。ほぼ憧れです。こういう風に思っていたらいいなって思って歌詞を書いています。モードをそっちに持っていくために、女性誌を読んだりとか本を読んだりはしますね。それで、女の子が言ってイヤじゃないようなフレーズを勉強しています。アイドルの曲を作るときには、周りから彼女たちがどう見えるのかを分析したり。聞くのはファンなので、必ずしも素性がリアルじゃなくていいと思っています。

── 逆に男性目線の曲は作らないんですか?

tofubeatsどうでしょうね。そうなると、自分の素性がバレるじゃないですか。女の子の曲を作る分には、好きなタイプぐらいしかバレないですけど男目線の曲を作っちゃうと自分の内面が透けて見えちゃうんで、あんまりやりたくないなぁと。本当のことをあまり言いたくないんですよ。僕自身とリンクしちゃうと裏付けをとらなくちゃいけないし、面倒くさい。「tofubeatsさんって、そういう風に思っているんですね」ってなっちゃうのもイヤだし。「雑誌で勉強しています」っていうぐらいがちょうどいいです。

── オケと歌詞はどちらを先に作るんですか?

tofubeats僕は、オケから作っていくタイプです。メジャーの仕事になるとサンプリングがあまりできないので、最近は弾きながら作ることも多くなりましたね。昔はCDやレコードを聞くところから始めてました。

── そういう点ではメジャーになって、作業の違いが出てきたのでは?

tofubeats2、3年前からメジャーでリミックスとか初めて、サンプリングできないのはわかっていたので、そこまで変わった感じはしていないです。スタジオに行ってレコーディングするぐらいですかね。今も自宅で作って、できあがったオケをスタジオに録りに行きます。そこのデータをもらって、編集作業は家でやります。マスタリングも僕がしていないので、概ね変わっていません。

── スタジオでレコーディングすると、家で録ったものとは違うものになりましたか?

tofubeats気持ちは引き締まりましたね。僕は自宅でもいいんですけど、森高さんとやるとなると自宅に呼ぶわけにも行かないので(笑)。でも今後は、自宅でもやっていきたいと思っています。スタジオでレコーディングなんて、30、40歳になってもできることだと思うので、今はどっちかっていうとスピードとアイデアのほうが大事。アイデアが浮かんだら、それをすべて入れ込んで早く完成させたい。僕、95点を100点にする作業が苦手で…。95点でも完成したら、いいや!ってなっちゃうんで、スピードが上がるなら家でやるほうがいいなと思っています。

── ずっとインディーズでやってきて、メジャーで曲を作ることに制約を感じたりはありましたか?

tofubeats曲作りに関してはまったく制約はありませんでしたね。「Don’t Stop The Music」みたいにミドルテンポの曲でデビューできることなんてあんまりないと思いますし、ある程度やりたいようにやらせてもらっています。アートワークも自分でお願いしていますしね。

── 曲調の違う3曲とリミックスまで入っていて、tofubeatsカラーを詰め込んだ 1枚だなと思いました。

tofubeatsちょっとカタログっぽいEPになったと思っています。リミックスは、せっかく森高さんの素材をもらったんだから、めちゃくちゃにしたいみたいなのがあって(笑)。こういう風になりますっていうアピールでもあります。いい曲を作る若者が登場したっていうよりは、リミックスもできることをわかってもらいたい。宣伝の意味も込めています。

── 今後、コラボレーションしたアーティストはいらっしゃいますか?

tofubeats遠い目標としては、やりたいアーティストとたくさん絡んでいくっていうことですね。メジャーデビューして名が売れてきても僕がやりたいことは単純で、曲ができたら発信するっていうこと。それを聞いた人の反応を見て、世の中がどう動くのかを見てみたいです。

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