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cero / スチャダラパー

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両者の良い所どりが実現した最高の一夜

カクバリズムとLIQUIDROOMが主催するLIQUIDROOM 10th ANNIVERSARY企画に登場したのは、cero、スチャダラパーそしてDJとして曽我部恵一とBTBの4組。この最高の組み合わせのイベントは、BTBのDJ&ライブから始まった。
2014年8月20日にリリースしたソロ作「Back To Basic ~俺とお前篇~」を再現したライブは、夏を取り戻したような熱さ。メロウなカバー曲がいい感じにフロアをあっためてくれた。

BTBのライブ後、突如「翼を下さい」が流れる。異様な空気のなか、スチャダラパーが登場した。ザ・コストパフォーマンスを引き連れてバンドセットでのプレイだ。登場とともに、Boseのコール&レスポンス! フロアのつかみはOK。1曲目の「アーバン文法」のイントロが流れると、オーディエンスが体を揺らし始めた。
3曲目の「ライツカメラアクション」ではBose
の「カモン!」につづいて「アクション!」とオーディエンスからレスポンス。開始10分で、会場はひとつになっている。
4曲目からは、ロボ宙が参加。「ceroのお客さんがコールアンドレスポンスをサボっている(笑)」とMCでオーディエンスをいじりながら始まった「MORE FUN-KEY-WORD」、そして「GET UP AND DANCE」。初めは照れていたオーディエンスもレスポンスの声が大きくなっていき、さらにフロアはひとつになっている。「ファンキーになってきましたね!」とスチャダラパーのMC陣もご満悦だ。
「FUN-KEY4-1」の途中、ANIがカウベルを鳴らし始める。「すごいですね。カウベルだけで1000人ぐらいを踊らせていますね」とBose。彼らが鳴らす音ならば、オーディエンスは何でも乗ってしまう。すっかり、スチャダラパーマジックの中にいるのだ。
MCを挟み「しっとりした曲やりますよ」という前置きとともに始まった「LET IT FLOW AGAIN」。スローの曲だって、もちろん踊らせてくれる。そして盛り上げてくれる。それが彼らのやり方、スチャダラパーのパフォーマンスの楽しさだ。
「Shadows Of The Empire」からの「ジャカジャ〜ン」でフロアを大盛り上がりさせたところで、今年はやり納めだという「サマージャム2014」が始まった。ザ・コストパフォーマンスのバンドアレンジのおかげで、さらに切なさが増したようなサマージャムは、夏の終わりに聞くには心に染みすぎる1曲だった。

つづいて曽我部恵一のDJタイム。スチャダラパーとceroの間をちょうど繋げてくれるようなミデイアムテンポセレクト。フロアの外へ出ていたオーディエンスたちも、そのまま踊り続けていた。

青い光のなかceroが登場し、1曲目の「exotic penguin night」を鳴らす。暗めのライトで演奏するceroは、いつもよりムーディーで色っぽい。今年の夏、ライブで各地を回ってきた彼らは、いままでの曲もアレンジを新たに加えていて、常に新鮮さを与えてくれる。
「船上パーティー」からは、VJも加わり、さらに光の演出で遊びをもたせる。
「Contemporary Tokyo Cruise」が流れたときには、待っていましたとばかりにフロアの熱は高くなっていた。
短いMCのあとに新曲「夜去(ようさり)」が披露された。現在、精力的に制作活動をしているという彼らは今回、全部で4曲の新曲を演奏。アーバンな雰囲気の漂う曲やフォークミュージックのような曲があり、新しいceroの形を予感させた。
次曲は、なんと小沢健二の「1つの魔法(終わりのない愛しさを与え)」をカバー。高城の声がなんとも小沢健二のメロディに合う! 「1つの魔法」を選曲するところも高城らしい。オーディエンスをうっとりさせたあとは「Yellow Magus」で、まったく違う空間へと持っていく。ceroの振れ幅の大きさを改めて感じた。
ラストは、アレンジがさらにかっこよく進化した「さん!」。オーディエンスが大きな声で共に歌っているのが響いていた。

スチャダラパーの本編が終了した時点で、そしてceroが小沢健二のカバーを歌った時点で、なんとなく予感はあった。しかしながら、いざ本当にこの場がくるとなるとテンションは上がらないわけがない。
アンコールで先に出てきたcero。そこには、SHINCOのDJブースが運ばれてきている。2組のコラボで歌う曲といえば、やはり「今夜はブギー・バック」しかない! cero風味にアレンジされた名曲を高城とBose、ANIが歌いあげる。こんな最高の空間があるなんて信じられない。
曲が終わってもオーディエンスの声が鳴り止まず、サビを再度大熱唱! そしてBoseとのコール&レスポンス。大満足のオーディエンスの拍手は、彼らが去ってもなお、鳴り止まなかった。

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