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INTERVIEW

ジョン・マッケンタイア(John McEntire)-The Sea and Cake

ジョン・マッケンタイア(John McEntire)-The Sea and Cake

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15年間、同じ場所にあった僕のSOMAスタジオを引っ越すので、その作業中なんだ。

── ジョンさん、こんにちは。

── まず、今はどこに? 辺りの様子を、説明してもらえますか?

ジョン今オレゴン州のポートランドのホテルにいる。とあるプロジェクトのミキシングを担当するために来たんだ。現在の時刻は深夜の1時。ホテルの部屋はほとんど真っ暗だ。僕の目の前にはコーヒーメーカー(未使用)と本が数冊ある。ずっと欲しかったデイビィッド・グラブズの本、「Records Ruin the Landscape: John Cage, the Sixties, and Sound Recording」をついに買ったんだ。まだ読み始めてないけど、興奮している!
※「Records Ruin the Landscape: John Cage, the Sixties, and Sound Recording」isbn:9780822355908

── 一昨年の来日、去年はフジロック、今年の5月にはTortoise(トータス)として、連続の来日になりますが、今年の夏はどう過ごしましたか?

ジョン15年間、同じ場所にあった僕のSOMAスタジオを引っ越すので、その作業中なんだ。その他はいつも通り、ライブをやったりレコーディングしたり、という感じかな。

── あなたが最初、Idful Music Corporationで働き始めた頃、サムやアーチャーはどんな存在でしたか?

ジョンShrimp BoatやThe Coctailsの事はバンドとして注目していて、ライブがあると出来るだけ見に行くようにしてたけど、バンドのメンバーたちとは個人的な付き合いはなかった。アーチャーとは共通の友人を通して何度か会った事はあったと思うけど、多分サムとは最初のアルバムのセッションをするために Idful Music Corporationで集まった時が初めて会った時だったと思う。
※Shrimp Boat:80年代後半にサムとエリックが在籍していたシカゴのバンド
※The Coctails:80年代後半にアーチャーが在籍していたシカゴのラウンジ・ジャズバンド
※Idful Music Corporation:TortoiseやThe Sea and Cakeなど多くのシカゴ発の注目すべき作品が生まれた録音スタジオ。1988-89年頃からほぼ10年間にわたり、プロデューサーとしてシカゴのバンドの他、Modest Mouse、アイアン&ワイン、オーウェンなども手掛けたRED RED MEATのブライアン・デックやブラッド・ウッドたちが運営に関わっていた。

── 1stアルバム「The Sea and Cake」から20年が経った現在、あなたにとってThe Sea and Cakeは、どんな存在ですか?

ジョンこのバンドにはいつも驚かされる。もちろん良い意味でね。これだけ長年一緒にやっているのに、毎回曲を書いたりレコーディングする度に新しい発見をし、面白いものが作れる。それになんてったってあんな天才的に笑えるユーモアのセンスを持ったメンバー達と知り合いになれた事を本当に光栄に思っている。
※The Sea and Cake「The Sea and Cake」(Thrill Jockey Records / Thrill-016)

── 以前、サムと一緒に“モートン・サボトニックとチャット”という企画がありましたね。Tortoiseで使っていたEMSをはじめとして、あなたのアナログ・シンセサイザーやエフェクト類のコレクションで最近一番興味を持っているものは?

ジョンいつも楽器や機材はローテーションで使っている。今は引っ越し中でほとんど倉庫に入れてるから一つ選ぶのは難しいけど、しいて言うなら、最近手に入れた1969年型のエレクトロダインのレコーディング・コンソールを手入れする事に一番興味を持っている。
※EMS:イギリスのElectronic Music Studios社のヴィンテージ・シンセサイザー

好きな機材というか、一番よく使う機材はEMS、VCS3、そしてSynthi AKSかな。良い意味ですごく原始的なんで、予期できない効果を生み出してくれる。すごくユニークですばらしい機材だ。
※VCS3:EMS社のポータブル・アナログ・シンセサイザー
※Synthi AKS:EMS社の代表選手。アタッシュケース型アナログ・シンセサイザー

── 実際、それらの機材を録音で使用してみて、あなた自身一番おもしろかった作品は?

ジョン僕の記憶にまず蘇ってきたのはStereolabの「Dots and Loops」。あのレコードは素晴らしい作曲、アレンジ、そしてミュージシャンの技術の完璧な組み合わせだったんだけど、忘れてはいけないのはレコーディング技術だ。当時レコーディング技術がすごく面白い時期に来ていて、そんな側面があのレコードを形創るのに大きく貢献したんだ。Pro Toolsを使うのは初めてだったけど(なんせ1997年だったからね!)、レコーディングはもちろんの事、アレンジしたり、曲を仕上げるのにも非常に重要な役割を果たした。テープだけだったらあそこまで出来なかったよ。
あと、コンピューターを使う事で複数のシンセサイザー音の融合がすごく簡単になった。MIDIからCVコンバーターへと全てのデヴァイスをコントロール出来るようになったからね。それから、モジュラー・シンセサイザーもすごく大きな役割を果たしたよ。大抵はアウトボードギアのように使われていたから、いつでも使えるようにセットアップされ、楽器の音やヴォーカルがいつでも足せるようになっていた。
※Stereolab「Dots and Loops」(Duophonic Records/D-UHF-CD17)

── エレクトロ・ミュージックの録音作品であなたのトップ5アルバムは?

ジョン 
(順不問)
ヤニス・クセナキス 「The Legend of Er」(Naive)
ベルナール・パルメジャーニ「De Natura Sonorum」(INA-GRM)
ロバート・アシュリー「Automatic Writing」(Lovely Music)
The New Blockaders「Changez Les Blockeurs」(自主制作)
INCAPACITANTS「Tight」(DOGMA CHASE / DOGMA-001)

── NEON MARSHMALLOWのイヴェントでDJしてますね。現在の若いアーティストのなかでおもしろいと思っている人、もし今ミックステープを作るとしたら入れたいアーティストや楽曲は?

ジョン最新のアーティスト情報には疎いんだけれど、エレクトロ・ミュージックに関していえば、Oneohtrix Point Never、Machinedrum、The Fieldが好きだな。あと今一番良いと思うロックバンドはDead Riderだね。少し前に見たOOIOOのライブも素晴らしかったよ!

ミックステープを作るなら下記のアーティストの作品を入れる:
The Fleetwoods、ブレントン・ウッド、The Sylvers、The Breakaways、Sweet、The Wipers、The Troggs、アンディー・キム、Cornelius Brothers & Sisters、アンドレア・トゥルー、J.J. ジャクソン、Cheer Accident 等。

── ところで、リアム・ ヘイズについて尋ねたいのですが、ロマン・コッポラ監督、脚本の映画「A Glimpse Inside The Mind Of Charles Swan III 」のサントラではあなたもエンジニアとして関わっていましたが、リアムって、どんな人です?

ジョンすごい人だよ。僕が今までで会った中で最も才能のある人間の一人だと思う。またぜひ一緒に仕事がしたい。
※リアム・ ヘイズ(音楽家):先頃、日本のAfterhoursレーベルから新作CD「Korp Sole Roller」(AH-128)を発売

── ここ最近興味があるアートや音楽、映画、本は?

ジョンさっきも挙げたデイビィッド・グラッブズの本ぐらいかな、、、でも映画はよく見てる。「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」と「Upstream Color」はとても面白かったよ。あと「リヴァイアサン」という映画もすごく良かった。

── The Sea and Cakeのアルバムのレコーディング予定や、バンドの今後の方向性については?

ジョン今のとこは決まった予定はないけど、でも、多分、もうそろそろ動き出すんじゃないかな。

── あなた自身のこれからの予定など、教えてください。

ジョンTortoiseの新しいアルバムを仕上げたい。2015年には出したいと思ってるんだ。あとはスタジオの引っ越しを終えて、、、それ以降は未定かな。



LIQUIDROOM 10th ANNIVERSARY

デビューアルバムから20周年のThe Sea and Cake、デビュー10周年のトクマルシューゴ。ダブルアニバーサリーの今年、恵比寿で初共演!

The Sea and Cake/トクマルシューゴ
opening act:jan and naomi

11月12日(水曜日)オープン/スタート:18:30/19:30
会場:LIQUIDROOM(渋谷区東3-16-6 / 03-5464-0800)
前売り(発売中):5,500円(LIQUIDROOM店頭のみ5,000円)[税込・ドリンクチャージ別 / 整理番号付]
前売り取り扱い箇所:チケットぴあ[234-006]、ローソンチケット [71180]、イープラス、LIQUIDROOM
※公演詳細はコチラから

【 The Sea and Cake Japan Tour 】
▽京都公演[京都・丸太町]
11月14日(金曜日)オープン/スタート:19:00/19:30
α-STATION & METRO W Anniversary Special LIVE !!
会場:METRO(京都市左京区川端丸太町下ル下堤町82 恵美須ビルBF / 075-752-4765)
前売り(10月4日(土曜日)発売)/当日券:4,500円/5,000円[共に税込・ドリンクチャージ別]
前売り取り扱い箇所:チケットぴあ[244-479]、ローソンチケット[57007]、イープラス
TOTAL INFO:METRO 075-752-4765 

▽福岡公演[福岡・大名]
11月16日(日曜日)オープン/スタート:18:00/19:00
COMMON GROUND presents
会場:ROOMS(福岡市中央区大名2丁目1-50 大名ONOビル3F / 092-751-0075)
前売り(10月4日(土曜日)発売)/当日券:5,000円/5,500円[共に税込・ドリンクチャージ別 / 整理番号付]
前売り取り扱い箇所:チケットぴあ[244-571]、ローソンチケット [89467]
※下記にて先行予約あり
COMMON GROUND:9月18日(木曜日)~10月3日(金曜日)
LOVE FM:10月3日(金曜日)
TOTAL INFO:COMMON GROUND 0977-84-3838 / ROOMS

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アーチャー・プルウィット(Archer Prewitt)-The Sea and Cakeのインタビューはコチラから

サム・プレコップ(Sam Prekop)-The Sea and Cakeのインタビューはコチラから
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