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INTERVIEW

アーチャー・プルウィット(Archer Prewitt)-The Sea and Cake

アーチャー・プルウィット(Archer Prewitt)-The Sea and Cake

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日本の映画「タンポポ」を見た…すばらしくて面白かった。

── アーチャーさん、こんにちは。

── まず、今はどこに? 辺りの様子を、説明してもらえますか?

アーチャー今イリノイ州オークパークの自宅に居る。今夜はとても蒸し暑くて、机に座って蝉や鳥達が奏でる夏の音を聞いてる。目の前には、続きを書く事を自分に言い聞かせるためソフボーイのコミックが積み重ねられてる。傍には僕のミニマルな鉛筆画を飾ってる。サム・プレコップの油絵もね。他に目に付くのは僕の録音用の小さな空間、ボロボロなのを見つけて自分でペンキを塗ったドローイング用の製図机、妻の写真、ギター、美術本、あとは僕が蒐集した様々なアート作品と僕自身の作品、、、ふむ、この部屋は整理整頓する必要がある。

── 一昨年の来日、去年はフジロック、連続の来日になりますが、今年の夏はどう過ごしましたか?

アーチャー今年の夏は僕の店の奥にある簡易ベッドルームの壁を塗ったり、店の前に茂みを植えたり、古い窓を改装したり、アート作品を作ったりして過ごしてた。バリー・フィップス(The Coctails)のアルバム・カバーのアートワークをやっと完成したんだ。3年もかかった!3年間そればっかりやってたわけじゃないけど、すごく細かい鉛筆のスケッチだったから時間がかかった。あれは大変だったな。彼は一体いつあのアルバムをリリースするつもりなんだろう。レコードのみのリリースみたい。あとはミニマルなタブロウも制作中だ。

── 奥さんが始めたA.P.ショップの内装を自分でやったのだとか。ジュエリーやテキスタイル、コンテンポラリー・デザイナーの作品を集めたセレクト・ショップだそうですが、買い付けも担当してるのですか? ステキなお店ですね。

アーチャーありがとう。買い付けも多少は担当していると言ってもいいかな。ツアーで海外に行った時に地元のフリーマーケットや小さな店を物色するよ。東京の骨董市はすごく気に入ってる!店主で妻であるアリアンとのコラボレーションとして自分たちでジュエリーを作っている。次の夏シーズン用に冬のあいだずっとジュエリーを制作してた。そのためにいつも特別なアンティークのビーズを探してるんだ。あとはお店の改築や手直しかな。ペンキを塗ったり大工仕事をしたり。それと木製の看板も僕が彫った。あれは楽しかったな。今は8月30日から店で開く展覧会のためにサム・プレコップの写真を14枚額装してる。彼とあと2名のアーティストのグループ展だ。店では色々な事を企画して行きたい。
※A.P.ショップ

── 買い付けに行ってみたい場所や作品は?

アーチャー昨年、休暇を兼ねてメキシコのサン・ミゲル・デ・アジェンデに買い付けに行った。今年の冬に再訪する予定だ。今回はまずオアハカとメキシコシティに行く。オアハカのテキスタイルは素晴らしいんだ。前に行った時はすごく興奮したよ。今度日本に行くのもすごく楽しみにしている。骨董市でボロ布や藍染めの布を見つけたい。アリアンも僕もインドとアフリカに行ってみたいんだ。数年前のモロッコ旅行は本当に楽しかった。すごく刺激的だったよ!

── 数年前に出たニック・ドレイクのカヴァー集で「Parasite」を歌ってましたね。ニックのお母さん、モリー・ドレイクの音源もリリースされていますが、聞きましたか? また誰かをカヴァーするとしたら?

アーチャーうん、聞いたよ。素敵な作品だよね。彼の作る音楽は彼女に影響を受けている部分もあると思う。カヴァーするならゲイリー•ライトの「ラヴ・イズ・アライヴ」かな。でも僕はそこまで歌が上手くないからなぁ。

── 同郷でもあるあなたがカヴァーのアートワークを手掛けたカンザス・シティーのバンドThe Pedaljets(ザ・ペダルジェッツ)が最近再結成し、一緒にライヴも演ったそうですね。あなたが在籍していたThe Bangtails(ザ・バングテイルズ)もそうですが、80年代のカンザス・シティーのパンク、ガレージ・バンドのシーンで、当時一番大好きだったバンドは?

アーチャー僕のお気に入りのカンザス・シティーのバンドのアルバムのアートワークをまた手がける事が出来てすごく名誉な事だと思ってる。内容も素晴らしいしね。ライブはすごく楽しくてロックしてたよ。彼等はずっと現役でやってたような感じだった。でも実際は23年ぶりのアルバムなんだよ!多くの人に聞いてもらいたいし、近々にでも日本でライブをやってくれたらいいのになと思う!The BangtailsとThe Pedaljetsはよく似たバンドで、当時は友好的なライバル関係だった。The Bangtailsのフロントマンのマイク・ウィンストンとThe Pedaljetsのマイク・アルマイアーは見た目も似ていたし、音楽スタイルも同じでメロディック・ロックだった。当時は彼らと対バンした記憶はないけど、ライブにはよく行った。彼らは当時の僕の一番好きなバンドだった。80年代の初期にはChoke(怖いボーカルがいる小汚いパンクバンド)、Mortal Micronotz、DuChampとBoca Eye Ear(アーティスト気取りでDevoを意識したバンド)が好きだった。他にもたくさんのバンドがカンザス・シティーにいたけどね。
※The Pedaljets

── ところで、ソフボーイの近況は?

アーチャーソフボーイは生きてるし元気だよ!最近またコミックを描き始めた。

── ここ最近興味があるアートや音楽、映画、本は?

アーチャーバーバラリー・ディアモンスタイン「Inside New York’s Art World」という本を楽しんで読んでる。アーティスト、建築家、ディーラーやキュレーター等へのすばらしいインタビューがたくさん載ってる。作者は非常に洞察に満ちていて、実に知的な質問をする。1979年に書かれた本だよ。あとは、アリアンと二人で最近また日本の映画「タンポポ」を見た。1986年の公開時に見た時よりもずっとすばらしくて面白かった。伊丹十三監督の物語を繋げる技術とペースの作り方には感心させられたよ。僕らの店では大体モーツァルトのピアノソナタをかけてる。明るくて、前向きで、ゴージャスな音楽だ。あとは今プレスポップのためにリー・スクラッチ・ペリー人形の箱のデザインをしているからレゲエもよく聞いてる!70年代の彼の曲はいつ聞いても最高だよ。彼は本当に天才だ!
※「Inside New York’s Art World」isbn:9780856706523

── 自分の苗字からファミリールーツを考えたことはありますか?

アーチャーほとんどアイルランドとデンマークの血筋だと思う。

── The Sea and Cakeやソロについて、次のアルバムのレコーディングなど予定や、今後の方向性について思うところはありますか?

アーチャージョン・マッケンタイアが現在彼のSOMAスタジオを引っ越し中なんだ。なので、落ち着いたら次のアルバム制作に入りたいと思ってる。もうすぐだと思う。バンドの今後については、エリックの状況があるから今はちょっと微妙かな。彼の手と腕の調子が悪くて今はベースが弾けないんだ。すごく残念だ。今はダグ・マッカム(Tortoise / Brokeback)がベースで参加してくれていて上手く行ってる。サムとジョンと僕の3人でスタジオで何曲か作ったこともあるから、次のアルバムではそういうトリオとしての形でほとんどの曲作りをすると思う。新しいアルバムに向けてすごく楽しみにしているし興奮している。

── あなたのなかにはいつもいろんなアイデアやヴィジョンが詰まっていてなにかを作らずにはいられないような多才な人物に思えます。いつかそのすべてを集約してなにかを創造するとしたらどんなものになると思いますか?

アーチャーうーん、そうだなあ。いつかは僕の音楽に合わせたアニメーションを作ってみたいと思ってる。あとは大きくてミニマルな絵画。それとコミックも。店の方がほぼ完成形に近づいてきたから今後はアートと音楽作品にもっと力を入れたいと思ってる!

── どうもありがとうございました。
── 来日公演を楽しみにしています。

アーチャーこちらこそありがとう。日本に行くのを楽しみにしている。僕たちがライブするのを本当に楽しみにしている国の一つだからね!



LIQUIDROOM 10th ANNIVERSARY

デビューアルバムから20周年のThe Sea and Cake、デビュー10周年のトクマルシューゴ。ダブルアニバーサリーの今年、恵比寿で初共演!

The Sea and Cake/トクマルシューゴ
opening act:jan and naomi

11月12日(水曜日)オープン/スタート:18:30/19:30
会場:LIQUIDROOM(渋谷区東3-16-6 / 03-5464-0800)
前売り(発売中):5,500円(LIQUIDROOM店頭のみ5,000円)[税込・ドリンクチャージ別 / 整理番号付]
前売り取り扱い箇所:チケットぴあ[234-006]、ローソンチケット [71180]、イープラス、LIQUIDROOM
※公演詳細はコチラから

【 The Sea and Cake Japan Tour 】
▽京都公演[京都・丸太町]
11月14日(金曜日)オープン/スタート:19:00/19:30
α-STATION & METRO W Anniversary Special LIVE !!
会場:METRO(京都市左京区川端丸太町下ル下堤町82 恵美須ビルBF / 075-752-4765)
前売り(10月4日(土曜日)発売)/当日券:4,500円/5,000円[共に税込・ドリンクチャージ別]
前売り取り扱い箇所:チケットぴあ[244-479]、ローソンチケット[57007]、イープラス
TOTAL INFO:METRO 075-752-4765 

▽福岡公演[福岡・大名]
11月16日(日曜日)オープン/スタート:18:00/19:00
COMMON GROUND presents
会場:ROOMS(福岡市中央区大名2丁目1-50 大名ONOビル3F / 092-751-0075)
前売り(10月4日(土曜日)発売)/当日券:5,000円/5,500円[共に税込・ドリンクチャージ別 / 整理番号付]
前売り取り扱い箇所:チケットぴあ[244-571]、ローソンチケット [89467]
※下記にて先行予約あり
COMMON GROUND:9月18日(木曜日)~10月3日(金曜日)
LOVE FM:10月3日(金曜日)
TOTAL INFO:COMMON GROUND 0977-84-3838 / ROOMS

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ジョン・マッケンタイア(John McEntire)-The Sea and Cakeのインタビューはコチラから

サム・プレコップ(Sam Prekop)-The Sea and Cakeのインタビューはコチラから
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