SCHEDULE

「HAPPY」group_inou (oneman) LIQUIDROOM 21st ANNIVERSARY

「HAPPY」group_inou (oneman)
OPEN
18:30
START
19:30
ADV
¥4,500(税込・ドリンクチャージ別)
TICKET
e+

プレオーダー:2025年6月13日(金)20:00~6月22日(日)23:59
一般発売:2025年6月28日(土) 10:00~

INFO

LIQUIDROOM:03-5464-0800

2016年11月27日をもって一度活動に区切りを付けるも、2023年末に楽曲“HAPPENING”を突如配信し、再び歩みを進め始めたMCのcpとトラックメーカーのimaiからなるユニットgroup_inou。

そんな彼らが、約8年ぶりとなる東京でのワンマン公演「HAPPY」を開催する。 

 

group_inouは、2003年の活動開始当初から2本槍を基軸としてきた。1本は、cpの俳諧味ある言葉の羅列だ。日本の音楽シーンにおける歌詞といえば、分かりやすさ、親しみやすさ、歌いやすさの“3やすさ”が重視される。だが、cpの綴る歌詞は押韻とリズムという縛りの中、驚くほど硬軟自在で多面的。脳内に眠る豊かな言語資源から組み合わされたフレーズは、時に詩的で、難解で、艶やかで、聴くたびに快感を添えて違った解釈や考察を生み、日本語が母国語であることに感謝さえする。 

 

もう1本の槍は、imaiの中毒性の高い叙情的電子音だ。どこか茶目っ気がありながらアンニュイの海を漂うような浮遊感を覚え、息つく間もなく押し寄せるコラージュのような音色は扇動的でもあり、身体と心を痺れさせる。先ほど、日本語が母国語であることに感謝さえすると書いたが、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、中国、ハンガリー、エストニアなど海を渡った先のJ-POPチャートで、group_inouの楽曲はたびたび上位にランクインしている。この事実を考えると、具体的な意味は不透明なままでも言葉が音として紡がれる土台をトラックが担い、純然たるグッドミュージックとして評価されているのだろう。 

 

cpのフローはヒップホップ的で、imaiのサウンドはエレクトロポップのようであることは確かだが、group_inouはどんなジャンルにも収まらない。形容する一言も存在しない。けれども、“らしさ”は存在する。これは2人の相互関係でしか生まれず、group_inouがgroup_inouであることは、7年以上の休止期間を経ても変わらなかった。 

 

昨夏、28時過ぎの苗場。imaiの一言、「お待たせしすぎたのかもしれません」から始まった「FUJI ROCK FESTIVAL ’24」でのライブ。あの一瞬、会場を包んだ空気がはっきりと告げていた。これは単なる活動再開ではなく、“続き”が始まったのだと。 

 

約8年。数えてみれば、3218日。本当に、待望の東京でのワンマン公演。それも、group_inouが何度も伝説的なライブを披露してきたLIQUIDROOMで。1年後、3年後、5年後、10年後、これから先、group_inouがいつまで活動し、どれだけの作品を生み出すかは分からない。ただ、今はライブが観られることに感謝し、9月19日は音に溺れよう。 

 

ライター:@iiiiii_riku