FEATURE-LIVE REPORT

THEE SCENE-LAST HEAVEN 031011- 12/15 新木場STUDIO COAST

「スクリーンに蘇る、これがTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのラスト・ツアー」

新木場STUDIO COAST、神戸WYNTERLANDの二会場開催を皮切りにスタートしたフィルムコンサート・ツアー。初日のSTUDIO COAST公演はSOLD OUT。2003.10.11 幕張メッセでの解散ライブの様子は『20031203 BURNINGMOTORS GO LUST HEAVEN』として既にDVDに収められている。後日『”THEE MOVIE”-LAST HEAVEN 031011-』として、舞台裏や未公開映像を含めてのライブの様子が映画として上映されるのも決定している。それでもライブハウスでの上映を、と多くのファンがCOASTへと集まったのはミッシェルがライブバンドであったことの証明とも言えるだろう。彼らのライブ映像をより一層楽しむ為に、と生粋のライブファンが会場を埋め尽くした。会場が暗くなり上映が始まると、スクリーンの中にステージが現れた。下ろされた幕、照明は満員のフロアを照らし、会場SEが流れている。今後フィルムコンサートへ足を運ぶ予定があるならば是非、開演前の様子から見て欲しい。他では味わえないライブ前のあの空気もライブと一緒に感じて欲しい。ライブ前の開演を待ち遠しく思う焦燥と共に、解散への遣る瀬無い感傷が一瞬で胸に蘇った。

『GOD FATHER~愛のテーマ~』が流れるや否や大歓声が飛び交う。メンバーの名前を呼び叫ぶ声があちこちから、幾度と無く上がり彼らのライブがいつもこんな様子で始まっていったのを思い出す。きっと会場全体がそれを懐かしく感じていたのではないだろうか。しかしそれも束の間の、演奏の開始と共に一瞬で惹き込まれてしまった。「ドロップ」の第一音が響くと共に空間がミッシェルで埋め尽くされた。上映されたライブについては、興味のある人各自の目で、爆音上映という臨場感を体験することで感じて欲しい。今回のフィルムコンサートで印象的だったのは、ウエノがベースにキスする姿、クハラのコーラス、タンバリン片手にマイクを引っ掴んでがなるチバ、そしてギターを両手で頭上に高く掲げるアベの姿。四人のそれぞれの姿を見て過去のライブを思い出しながら「本当にこんな瞬間が存在していたのだろうか」とすら思ったことである。彼らが解散して6年が経った。しかし残した軌跡は余りにも大きい。当時のミュージックシーンを思い返した時に自然と挙がる名前だろう。ホールをライブハウスにしたのも彼らが最初だった。ロックを好む一部のリスナーのみを魅了するではなく、その音楽性と立ち居振る舞いが世間にどれだけ受け入れられたのかは数字としても残っている。

しかし、こんなにも解散した彼らを幻のように感じたことは今までに無い。スクリーンに刻み付けられた音も声も空気も景色も、全てがあまりにも、まるで映画かと見紛う程に格好よく、しかしそれが映画という虚構ではなく現実だったということを私たちはよく知っている。解散という事実にあれだけ心を動かされたことは今でも忘れることができない。スクリーンに映し出され、振動をも伴う爆音での演奏を感じたからこそ、同時に様々な記憶が蘇り、改めてTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの唯一無二の存在を感じることが出来た。スクリーンに映し出されていたのは解散の感傷でもなく、失われたものへの憧憬でもなく、過去の焼き直しでも決して無い。ただただ瞬間のリアリティが焼きつけられ、強く強く彼らが刻みこまれていた。

あの日会場にいた人も、行くことの出来なかった人も、当時を知る人も知らない人も。改めてTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの魅力に触れてほしい。