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サニーデイ・サービス

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「解散したときは新宿のリキッドルームで、今日もリキッドルーム。なんか、奇跡みたいな……」――10年ぶりのサニーデイ・サービス@リキッドルーム

 再結成後初、10年ぶりの全国ツアー。2008年の再結成よりイベントやフェスに出演していたが、音源発表もツアーも、解散した2000年以来10年ぶり。再結成を経ての本格的な活動再開を期待してしまう全国ツアー初夜は解散した時と同じくリキッドルームでの開催となった。
 10年ぶり、とはいえ活動をまったくしていなかったわけではない。しかしサニーデイ・サービスとしてのワンマンということで高まる客の期待は拍手となって溢れ出た。曲が始まる度に喜びのため息のような歓声と共に拍手が静かにフロアに広がる。会場には一体感ではなく、新しいバンドの活動に向き合いつつも、ひとりひとりが聴き入り聴き惚れるような雰囲気で満たされていた。「10年ぶりだからといってなんということもないんですけど」と、曽我部はさりげなく言ったが、懐かしい曲たちが再び奏でられることを喜ばずにはいられない。いっそうの新鮮さ、瑞々しさと共に懐かしい曲たちが響き渡る。また、10年という月日を経て、より豊かになった演奏も魅力的だ。緩やかに爽やかにポップ・ミュージックとしての美しさを聴かせた序盤から、ロックバンドの演奏の力強さを滲ませる後半。そして期待を裏切らない嬉しい選曲で披露された2回のアンコールまで、たっぷり2時間半。新譜以外の曲も多く演奏され、ほぼMCを挟まずに進められた本編では、心行くまでサニーデイ・サービスの世界観へ没頭することが出来た。
 「キーボード・高野勲、ギター・新井仁、ベース・田中貴、ドラム・丸山晴茂、そしてヴォーカルの曽我部恵一です!」と、序盤でのメンバー紹介。今回のツアーは10年前当時と同じメンバーで行われる。ドラムの丸山は一時体調不良によりライヴを休止したが無事に復帰。ドラムより前に出てきて、曲に参加する一幕も。復帰を告げるかのごとく、フロアに顔のみならずその全身を見せてくれた。「ツアーの初日をリキッドルームで迎えられて嬉しいです。解散したときは新宿のリキッドルームで、今日もリキッドルーム。なんか、奇跡みたいな……いや、自分たちがしていることだから決して奇跡ではないんだけど、でも、奇跡のように感じます」と、曽我部はMCでサポートメンバー含み、当時と同じメンバーでツアーが出来ることの喜びを語っていた。
 今後11月に東京に戻ってくるまで本日含め全国10箇所のツアー。先のお楽しみを損なわないよう、演奏曲をお伝えできないのが少し残念ですが、この夜の空気が少しでも伝われば幸いです。
(渡邉祐子)

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