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初恋サンセット2010

初恋サンセット2010

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甘酸っぱく、可愛らしく、瑞々しい。そんな〈初恋サンセット2010〉

 メレンゲの、久々となった自主企画〈初恋サンセット2010〉。この日はゴーイングアンダーグラウンドをゲストに招いての開催である。じつはこの2バンドの付き合いは非常に長く、なんとメレンゲ結成前からの仲だとか! メンバーや両ファンにとって、特別な意味を持つ対バンであったに違いない。

「待たせたな、恵比寿!」という威勢の良いギターの中澤のひとこえで幕を開けたこの日のライヴ。先攻はゴーイングアンダーグラウンドである。サポート・メンバーとしてすっかり定着しているHARCOがキーボードで加わり、5人編成での登場だ(ちなみにHARCO、なんと1回目の同イヴェント出演者だったということがのちのMCで発覚! すごい偶然である)。
 オープニング曲は“同じ月をみてた”。1音1音をがっちりと、しっかりと地に足に着けて一歩一歩確かめ歩むような演奏でスタートをきる。続いてヒダカトオル・プロデュースの“LISTEN TO THE STEREO!!”を披露し、一気にテンションを上げたところでMC。「メレンゲに恋してるみんなも、今日だけはゴーイングに浮気したっていいんだぜ!」と中澤が叫び、静まり返ってしまった会場に「うちのギターがどうもすいません」とヴォーカル/ギターの松本がフォローを入れる……なんて笑えるひと幕も。「夏も終わり秋に入り人恋しくなり……、恋がしたくなってきた! そんな気持ちにさせて帰るから今日はよろしく!!」そんな松本のMCのあとに披露されたのは、せつないメロディーが光る“TENDER”、近田春夫&ビブラトーンズのカヴァーである“金曜日の天使”。そして“ビターズ”、“サンキュー”とゴーイングらしいせつなく甘酸っぱい、人間臭い名曲が続く。後半は“トワイライト”、“Holiday”と疾走感のある曲で会場を盛り上げ、ラストは11月23日にリリースされるニュー・シングル“LONG WAY TO GO“で締めくくられた。前作に続いてヒダカトオルをプロデューサーに迎えたこの曲は、一度聴いたらすぐに覚えてしまうくらいのキャッチーさ! フロアを十分に暖めてステージを去った。

 そして後攻のメレンゲ。こちらもサポートにギター藤田顕、キーボード横山裕章を迎えての5人編成で登場。「どうもこんばんは、メレンゲです!」というヴォーカル/ギターであるクボケンジの短い挨拶から、そのまま1曲目の“旅人”へ。なんと1曲目から新曲! オープニングに相応しい爽やかなナンバーで、軽やかなライヴ・スタートとなった。そして“チーコ”を挟んで、またしても新曲“MOON LIGHT”。こちらは少し甘酸っぱいような、可愛らしいメロディーに酔いしれる。「いまいろいろ新曲とかを作ってるんで、いま僕の書ける最高の歌詞で作ってるんで……、ぜひ聴いて欲しいと思います」というクボのMCを受けて披露されたのは“ルゥリィ”。こちらももちろん新曲。アコースティックギターとヴォーカルだけで奏でるイントロが印象的だ。続いてライヴアレンジが斬新だった“underworld”、壮大でドラマチックな“うつし絵”と、その世界観をより深くしていく。続くMCでは、来年4月30日に〈C.C.Lemon〉ホールでの自身初となるホール・ワンマンが決定したことを報告! 会場中から大きな拍手が起き、歓声が上がった。「全くやったことのない新曲をやりたいと思います」というMCの後に演奏された新曲“エース”は、雨上がりのあとの最高の青空と虹を想起させるような疾走感あるハッピーな楽曲。この日メレンゲは新曲をなんと4曲も披露したのだが、そのどれもで会場から手が挙がり新曲とは思えぬ一体感を創り出していたのが印象的だ。後半では“午後の海”、“ラララ”とテンション高めの楽曲で会場の熱気は最高潮に。“願い事”をしっとりと演奏し、“夕凪”で本編を終えた。

 アンコール1曲目はメレンゲとゴーイングの豪華セッション! 曲はメレンゲが大好きだという小沢健二の名曲“愛し愛され生きるのさ”。メレンゲのベースであるタケシタとゴーイングの松本は実は高校時代の友達であったなど(!)、どこまでも縁深い2バンドの思い出話を交えながら、リラックスした気持ちの良い演奏だった。何より観ているこちらまでつられて笑顔になってしまうような、演奏している彼らの表情が生き生きしていて良かった。

 そしてゴーイングの面々が去ったあとには「最後にこの曲をやって帰りたいと思います!」とイヴェントのタイトル曲でもある“初恋サンセット”を披露。細胞の隅々まで染み入るような優しいメロディーは会場中まで満ち満ちて、そこにいる全てのひとを包み込むように温かく響いていた。(山田佳緒里)

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