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WAGDUG FUTURISTIC UNITY

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WAGDUGの革新。浸食する怒濤のラウド・サウンド

 2010年も残りわずかの年末、12月17日。狂乱と騒乱を求めて、飢えた大人たちがリキッドルームに集まった。

 開演時間15分押しのマイペースなスタートであったが、SEのノイズ・サウンドと共にバックにWAGDUGのロゴが投影されると一瞬にしてフロアに期待と緊張感が張りつめる。そしてメンバーが登場し楽器が音を出した瞬間、その緊張感が一気に開放されたかのごとく、フロアは地獄絵図とも見えるほどのカオス状態に。

 2曲目の“NO END”から早くもテンションの上がったパフォーマー、YOSSY THE CLOWNがフロアへダイヴ!オーディエンスも負けじと高騰、熱気の渦。先日原曲をバンド・サウンドに録りなおしたという“WHY?”のライヴ・サウンドは大迫力で、バンドの厚みを改めて思い知らされる。“DISCOLOR”や“EQUALUTY”などメロディ的にはとても明るくキャッチーなものも多いのに、SHIBUYAの地を割るような攻撃的なパワー・ドラミングに乗った、kenkenの驚くほどの音圧で重低音を響かすベース・プレイとSABの荒々しいギター・ノイズに浸食され、WAGDUGのデジタリズムはまるでメタル・ミュージックのような重々しいハードな音楽へと姿を変える。 

「全然足りないね。まだまだこれから。」と余裕の表情のまま突入したアンコール。“SYSTEMATIC PEOPLE”ではYOSSY THE CLOWNがWAGDUGのメインアイコンでもあるガスマスクをつけてステージ中を暴れ回り、フロアにダイヴ。轟音にあわせてストロボ照明も投下され、興奮のステージをみせた。

 ダブル・アンコールで登場し、ラストにチョイスされたのは“MIRAI × SEKAI”。序盤でトラブルがあったのだが、KYONOが「もう一回」と告げるとオーディエンスは気を悪くするどころか「イェーイ!」と歓喜。「最高に暖かいね!」とKYONOは微笑み、先ほどまでの破壊力抜群のステージが嘘のようにあたたかな幸せ空間が生み出された気持ちのよいエンディングであった。(知念正枝)
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PHOTO BY 橋本塁

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