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TOWER RECORDS presents “MAVERICK KITCHEN VOL.3”

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NO MUSIC, NO LIFE!!! 音楽愛に溢れた一夜

 タワーレコードのイチ押しアーティストが一挙に集まる、〈MAVERICK KITCHEN〉。第3回目を迎えた今年はなんと8バンドが出演。おまけに「タワーレコード恵比寿店の店長です」と総合司会に任命された怒髪天のヴォーカル増子が、その増子節とも言える緩いMCとバンド呼び込みで会場を沸かせ、イヴェントを終始盛り上げてくれた。

 今宵の幕開けは遠藤ミチロウ。喉の奥を押し潰し絞り出すように、歌を“唄う”というよりは“語る”に近い独特の発声法で、痛烈な言葉によって綴られた歌詞を、切迫感をもって突き刺していく。打って変わってLUCY&THE LIPSTIXは近未来意識な衣装とポップネス全開のステージで駆け抜けてくれた。SDRギターの内藤や怒髪天ドラムの坂詰をゲストに迎え、総勢8名にもなる豪華メンツによる爆音を轟かせたゲタカルビ。そのずば抜けたエネルギーと音圧は間違えなくこの日のナンバー1! そして突如ベースのなめんなよーかいがバンドからの脱退を宣言、結果この日が現メンバーでのラスト・ステージとなってしまったJAPAN-狂撃-SPECIAL。しかし最後までいつも通りの、最高にパワフルでポジティブなライヴを披露してくれた。若さ溢れるOKAMOTO’Sは説得力と吸引力のあるパフォーマンスで会場を隅々までしっかりロックン・ロール! 続いて「はっきり言って今夜の俺のメイン・ディッシュ!!」と増子に言わしめる今年デビュー30周年になるTHE MODS。男くさい、貫禄のステージにフロアも爆発し、ラスト・ナンバーの“他に何が”が終わっても会場のMODSコールはなかなか鳴り止まなかった。お次は毛皮のマリーズ。ヴォーカル志磨の圧倒的な個性が導くロマンティックかつ妖艶な世界観が爆発し、狂い咲く。“美しい”という言葉がよく似合うアクトだった。

 次々に繰り広げられたライヴを締めくくってくれたのはこの〈MAVERICK KITCHEN〉に3回連続出演、皆勤賞のSA! 彼らの繰り出すどこまでも熱いパンク・ロックに沸騰するフロア。更に「声はよ、音楽はよ、人に届くはずや! いまからこのマイクはお前らにあげるわ!」とヴォーカルTAISEIが煽りまくる。会場中から発せられるコールや合唱によって互いに高まり合うステージとフロアは、まさに一体感という言葉がぴったりだった。SAのライヴは笑顔になれる。元気になれる。それはステージにいる彼らが誰よりも、真剣に楽しんでいるからなんだと思う。
 アンコールの最後には、ゲタカルビの仲野、怒髪天の増子と上原子、毛皮のマリーズ志磨、OKAMOTO’Sのショウがステージに登場し、SAの演奏をバックに“雨あがりの夜空に”をセッション。1回目の〈MAVERICK KITCHEN〉は忌野清志郎が死去した次の日に開催され、ラストにこの曲をDJが流して、フロアで大合唱が沸き起こったという。出演者のジャンルも世代も超えて、なりふりかまわず肩を抱いて唄い上げるその音楽愛に溢れたステージは、観ていて本当に心愉しかったし、ぐっとくるものがあった。ラストは増子の合図によってステージとフロアでジャンプをキメての大団円! 音楽愛と笑顔に溢れたオーラスを迎えたのであった。(山田 佳緒里)

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(C)菊池茂夫

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