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LIQUIDROOM ANNIVERSARYで、SADSが今年最後のステージ

相変わらずの言葉のトリックでファンを戸惑わせ続ける清春。今年2月、ソロステージ上で匂わせた黒夢終結宣言に続き、ホームページでは漆黒を背にした2人と共に『96 TO CAGE』のメッセージ。ファンの間では“96が鳥篭に閉じ込められる、すなわち封印を意味するではないか”という憶測を呼び、活動終了を噂する声があった。その真相は、11月6日発売予定の『黒と影』とそのツアーで確認するとして、ファンを楽しませる緻密なアイディアと、言葉の力は健在であることがよくわかるエピソードだ。
8月3日、リキッドルームのステージ。清春の「今年最後のSADSのライブなんで」というMC通り、ここから黒夢にシフトすることを強く意味するライブとなった。漆黒な想起させるSEでメンバーが登場すると「EVIL」で一気にフロアを煽り、「HATE」、「WEEKEND IN LUST」と一気に畳み掛ける。
改めて、こうしたツインバスドラムのヘヴィロック/ミクスチャーロック要素の強い楽曲を聴くと、結成当時のSADSとの異差がよくわかる。初期は溢れ出すような衝動と勢いを音楽に変換しており、どうしても黒夢と地続きな印象を受けた。しかし、現在のクボタケイスケ(B)とGO(Dr)による鉄壁なリズム隊は、演奏面で清春の声、K-A-Zのギターを安定させる。ひたすらエッジを追求する黒夢との違いという意味では、現在のSADSは理想的なバンドサウンドを実現したように聴こえる。
いい感じで踊らされたのもつかの間、いたずらのように放たれる8ビートの「See A Pink Thin Cellophane」、「ANDROGYNY INSANITY」でモッシュが始まり、次々とダイブを敢行する観客たち。縦に、横に、フロアを縦横無尽に
操るパフォーマンスもまた、現在のSADSを印象づける。「DISCO」など、コールアンドレスポンスで会場を一体にさせながら、「ロザリオと薔薇」などの名曲を挟みつつ「AMARYLLIS」で本編を閉める。
「Becouse」で始まるアンコールの最中、やはり触れられたのは黒夢の活動について。ファンは内心、噂になっていた“活動終了”という言葉が出るのではとヒヤヒヤしていたが、ここでの発表はなかった。それに安心したのか、3度のアンコールに応え「CRACKER’S BABY」でラストを飾った。
昨年はソロで、今年はSADSとなにかとリキッドルーム・アニバーサリーと縁の深い清春。来年はどんな形でのパフォーマンスがなされるのか。今から期待して待ちたい。

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