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KEMURI / HEY-SMITH

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KEMURI × HEY-SMITHによる、火花散るパンク・ ロック・対バン!!

この日は昨年9月にHi-STANDARD主催の“AIR JAM 2012”にて約5年ぶりの大復活を遂げて以来、ワンマンツアーや新譜の発売、数々のフェスやイヴェントへの出演と、未だ躍進を続けるスカパンクの第一人者、KEMURI。そしてインディパ ンクシーンの最前線を他の追随を許さない勢いで爆走し、今や飛ぶ鳥を落とす勢 いの関西発メロディック・パ ンクバンドHEY-SMITHという、火花散るパンク・ ロック・対バン!!満員御礼ソールドアウトの会場はその競演を心待ちにして いたオー ディエンスの熱気が充満し、これ以上にない高揚感の中、灼熱の一夜が幕を開けたのだった。
A

「お前らどんなテンションで観に来たん?新旧対決観に来たんか?!」と挑戦的なコールでまず会場を沸かせたのは、先攻HEY-SMITHの Gt.Vo.猪狩秀平だ。 真っ赤に燃える照明を背に猪狩の「いくぞー!」という絶叫で“DRUG FREE JAPAN”が打ち鳴らされてライヴスタート!フロアの最前線では早くもサークル・ モッシュが広がり、いきなり会場は熱量はMAXに!! 続いての“Download Me If You Can”でエモーショナルは加速を続け、“No Worry”ではVo.Ba.Mukkyの歌う爽 快に突き抜けるメロディーに乗り会場中の拳が突き上がる。
「お前らもテンション高いと思うけど俺たちのほうが絶対高いから! みんなま とめて遊んでこうぜー!踊り狂えリキッド!!」と撃ち放たれたキラー・チュー ン“Endless Sorrow”でさらなる熱狂へと突き進んでいく。いつも通りの半裸でス テージ両端を固めるSax.満とTp.Ioriの旋律に痺れ、Dr.Task-n の確かな鼓動に フロアが揺れた。そして雪崩の様に連射された“‪Jump!!‬”、“Magic Leaf”、 “Over”で勢いは一気に加速し、沸騰した会場を駆け抜けていく。 HEY-SMITHは ロックとかパンクとかスカとかそういった細かいことは抜きにして、というか全 て呑み込んで、ソリッドに極まりまくった爆音で会場をエ ネルギッシュに突き進んでいく。
B
ライヴ後半戦のMCでは「俺こんな日が来るなんてマジで思ってなかったから さー、何回ケムリのライブを観に行ったか、何回ケムリのTシャツ 来てライブし たか・・・それが実際こうやって復活して2マンて形でライヴが出来るなんて人 生捨てたもんじゃないっすね、ありがとうございま す。もちろんありがとうっ てだけじゃなくて、俺たちのライブをやっていくから!」そんな.猪狩の熱い メッセージが語られた。「この歌を今のリ キッド、過去の自分、今いる全てに 捧げよう!」と感謝とリスペクト、想いの詰まった“Family”のビートが高らか に、気持ち良く鳴り響 く。ラストは「1分間の曲やるから!目を覚ませー! 」 という猪狩のコールとともに撃ち放たれた“Come Back My Dog”! 会場中を最高 の笑顔に満たして、メンバーはステージを後にした。

そして20分程の転換を挟み、ゆっくりとした足取りでステージに現れた後攻の KEMURI。今回はホーン隊2人をサポートに迎えての7人編 成。「色々ありますが ひと時・・・憂きを忘れてぶっ壊れるまで踊って帰ってください!!」とVo.伊 藤ふみおが語りかけ、鳴らされたスター ト・ナンバーは“白いばら”。かつて無 期限の活動休止となった彼らがリスタートの際に打ち鳴らした底抜けに明るいこ の曲――『何度でも/何度 でも/別れ告げ/傷ついて転んでも/諦めず』そんな 歌詞が東北大震災をきっかけとしたAIR JAMで復活し、それも一度きりではなく 精力的に音楽活動を行っている彼らとリンクして、5年前とはまた違った響きを 持ってぶっ放された!!・・・と同時 に、パンパンのフロアは『待ってまし た!』とばかりに乗っけからダイブとモッシュの嵐!会場全体が海のようにうね る光景は圧巻だった。続いて の“Standing in the Rain”、“Mr.Smiling”という 新しい楽曲も、最高にポジティブでパワフル。
C
「あのね、音楽作って、うたって、踊って・・・なんでやってるのかなって思 うときがあって、よくわかんない、正直。1つわかってるのは、厚 い光を阻む ような雲が頭の上に広がっているとしたら、音楽をやってるときはその雲を吹き 飛ばすような気持ちでやってます」そんな伊藤からの紹 介後には青空を仰ぐよ うな抜けるメロディーが印象的な“sky without a cloud”。そして “KAMISAMA”“Deepest River”・・・とファンには嬉しいセットが続く。往年の名 曲、というにはあまりにも彼らの“現在”が響いていて、それがとても素晴らし かった。
渾身の力を込めて一曲一曲をシャウトしてステージを飛び跳ねる伊藤の姿、バ ンドの重心を支えるBa.津田紀昭とDr.平谷庄至のリズム、 Gt.田中‘T’幸彦の超 絶カッティング。Sax.コバヤシケンを始めとしたホーン隊が響かせるファン ファーレのような高揚感。さすがとしか 言いようの無い確固としたステージン グは全て、正にKEMURIそのものだった。5年前と唯一違うのは、トレードマーク である津田の黒いサン グラスがこの日は途中から黒ぶち眼鏡に変わっていたこ と(レア!)くらいだろうか。
この日最大のダイナミズムが炸裂した“Ato-Ichine”、“Go!Under the Sunshine!”で本編ラストを飾った後、「ぶっ壊れるまで踊って帰ってくださ い!」と披露されたアンコール1曲目は“Don’t know”。続いての“PMA”ではHEY- SMITHの満とIoriがホーン隊として参加し、残りのHEY-SMITHメンバーと、袖で見 守っていた友 人たち(なんとクールポコや佐藤隆太まで!)も飛び入りしてのス テージで大団円!!!

この夜の2組による競演は、生粋の『ライヴバンド』の真骨頂だったと思う。 HEY-SMITHもKEMURIも、疑いようのない本物の、最 高のライヴバンドだ。どんな に日々に疲れていたって、落胆していたって、彼らのライヴを全身で浴びれば、 そのサウンドで踊って汗をかけば、ど うやったって笑顔になってしまう。そん な体験を出来るひとがこれからも増え続ければ良いなと思う。

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