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cero <br>しなやかに、自然体で、しかし猛スピードで駆けぬけた2018年を締めくくるワンマンライブ<br/>

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しなやかに、自然体で、しかし猛スピードで駆けぬけた2018年を締めくくるワンマンライブ

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Text by Yumiko Ohchi
Photo by 三浦知也 / 廣田達也

2018年12月1日、ceroのワンマンライブ「AFTERMATH」が恵比寿リキッドルームで開催された。
アジアツアーを終え、国内外でどんどんと人気の高まるceroの2018年最後のワンマン、ということでチケットは即ソールドアウト。開演時間ギリギリに会場に入るとチケットをゲットすることのできた幸運な選ばれしファンたちで超満員。開演の18:30を少し過ぎてceroが登場し「Modern Steps」で静かにライブが始まった。そこから「Yellow Magus(Obscure)」、「魚の骨 鳥の羽根」、「Elephant Ghost」と続くにつれて会場の盛り上がりが増していき観客の身体も自然と動いていく。

 

最新アルバム『POLY LIFE MULTI SOUL』(2018)と前作『Obscure Ride』(2015)の曲を中心にシームレスに気持ちよくつながっていく。「薄闇の花」の後に最初のMCが入る。高城が今年のアルバムリリースからツアー、フジロック出演、アジアツアーと駆け抜けた一年をふり返った。そして高城がギターを手にして「ベッテン・フォールズ」が始まった。続いて「夜去」、「outdoors」、「溯行」といったところで橋本トイレ休憩。その間高城が今後のライブ告知でつなぐ。翌日のカクバリズムの冬祭りや27日の音楽大忘年会のことに触れたあと、少し照れくさそうに情報解禁されたばかりの自身のソロプロジェクトShohei Takagi Parallela Botanicaのライブ告知も。そうこうしているうちに橋本がトイレから戻り「Double Exposure」で演奏が再開した。

 

続く「Buzzle Bee Ride」の頃には会場はすでに盛り上がっていたが次にアップテンポな「レテの子」でさらに盛り上がってきたところで突如高城の姿がステージから消えた。観客はみんな気持ちよく身体を揺らしていたものの、モッシュがあった訳ではないのでモッシュダイブしたのでも無さそうだ。どこにも見当たらずキョロキョロ探していたらステージ端から何食わぬ顔でまたステージにひょっこりと上がってきた。後でわかったのだが、ステージを降りて最前列のお客さんにハイタッチをして回っていたのだそうだ。そういった、ファンと同じ目線で一緒に楽しんでいるところがceroの魅力のひとつだろう。いい意味でミュージシャンが神格化されていなくて、どこか肩の力が抜けた感じが親しみを持てる。それは姿勢だけではなく、もちろん音にも通ずる。カッコつけ過ぎていないところがカッコいい。

 

そして「Waters」、「FALLIN’」でメロウに締めくくりライブが終わり、メンバーがステージ裾にひけたがまだ会場の熱はまったく冷めやらず。アンコールに応えて再び登場し、歓喜する観客の盛り上がりは「Poly Life Multi Soul」でヒートアップ。みんな気持ちよさそうに身体を揺らしている。もうこれ以上の盛り上がりは無いか、と思ったところで最後に「わたしのすがた」のライブアレンジで最高潮に達してついに終わった。その時点で2時間弱、アンコールを入れて16曲を演奏していたが、観客の「もっと!もっと!」という気持ちが一体となりアンコールを終えてメンバーがひけた後も帰ろうとする人は少なく、再アンコールを求める観客の拍手がいつまでも鳴り止まなかった。

 

この日のリキッドルームには終始あたたかいバイブスが満ちあふれていて、ライブが終わり会場の外に出て冷たい風にふれたときにふとそういえばもう12月だということを思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

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