『走馬灯』
MONO NO AWARE
[label: /2025]
MONO NO AWARE『走馬灯』
タイトルから連想する通り、現実と幻想の浮遊を織り成した、バンドの真骨頂が生まれた。
前作”花粉”以降、約半年振りのリリースとなるEP。
Vo.&Gt.の玉置がこぼれ落とす様に歌う、つい頷いてしまうキラーフレーズが並び、特異なメロディーセンスが絡まって一層癖になるタイトル曲”走馬灯。
生と死にまつわるワードイメージの中で、限りなくドリーミーな音像と共に日常の些細な感情にまで目を向けた、彼ららしいポップソングだ。
昨年リリースのAL『ザ・ビュッフェ』を経て、バンドアンサンブルはよりナチュラルで柔らかく、かつ強度の高いオリジナリティーを構築している様に思う。
続ぐ”スノードーム”は、”走馬灯”とも親和性を持つ湧き出るファンタジーの質感に、フォーキーでどこかサイケデリックな印象が新鮮な1曲。
先日公開されたばかりのスノードームの中を遊泳するヴィジュアライザーが、[安心しておやすみよハニーおやすみよダーリン」という冒頭の歌詞や楽用の持つ温かなムードとシンクロし、煌めきを堪能出来る。
“そういう日もある I””me to me l”は、以前からライヴでも披露されているダンスビートのアレンジが更に洗練された形となり再録。
バンドサウンドの現在地を放出し、既出の楽曲を新たに色着けするというセルフリミックスの様な発表は、一筋縄ではいかないMONO NO AWAREらしいアプローチとも言えよう。
10月には、台湾公演を含む国内外5都市のツアーを控え、着実に太い幹を支え合い育てる4人の今後から目が離せない。