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Sonik Kicks

『Sonik Kicks』

PAUL WELLER

[label: ISLAND/2012]

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好き勝手やっているチョイ悪オヤジほど、恐いものはない

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文:久保憲司

 ポール・ウェラー兄貴、もう新作出しますか、はじけまくっていますね、と思ったら、普通に2年毎のペースでした。僕の方がオッサンになって、ポール兄貴のペースについていけてなかっただけだったんですね。
 でも、今回の出だしのシンセの音がブッ、ブッ、ブッと右から左へ動いたのを聴いたときは、さすがにポール兄貴も壊れたかと思ってしまいましたよ。けっこうエレクトリックですが、ポール兄貴らしいヘヴィ・サイケなロック・アルバムです。インストの“Sleep Of The Serene”とか頭おかしいかとも思ってしまいますが、でも、こういう変なのって、モッズ後期の時代では当たり前だったしな。ここ何枚かのポール兄貴の音楽は、60年代後期とか、74年くらいの中古レコード屋で眠っているいいレコードを今風というか、ポール節で蘇らせているという感じがします。いいなと思います。好き勝手やっているチョイ悪オヤジほど、恐いものはないという感じでしょうか。

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