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Hurting

『Hurting』

TERARS FOR FEARS

[label: ISLAND / MERCURY/1983]

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サマソニにて祝来日! エレポップの巨星

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文:久保憲司

 ティアーズ・フォー・フィアーズ、サマーソニックに来ますね。僕的にはけっこうベストなタイミングかなと思います。ウォッシュド・アウトとかを聴いていて僕が思うのは、すごくティアーズ・フォー・フィアーズに似ているなと思うのです。すごくメローなポップ。 
 ポスト・パンクというか、ニュー・ウェイヴの流れで売れたと思うのですが、ティアーズ・フォー・フィアーズ、不思議なバンドです。あまりにも売れすぎた為に、現在のポスト・パンク・ファンからは完全に無視されているんですが、すごいバンドなんです。若いファンの方にはベスト盤を買ってみてというのが一番いいのかもしれないんですけど、僕は1枚目『The Hurting』、2枚目『Songs from the Big Chair』をお薦めします。いまの音楽シーンに使えるネタ満載だと思うんですよ。
 ウィキペを見ると彼らのルーツはトーキング・ヘッズ、ピーター・ガブリエル、ブライアン・イーノとなっていて、なるほどなと思います。
 日本にいるとトーキング・ヘッズの偉大さって、わかりずらいですよね。ハッピー・マンデーズからレディオヘッドまでみんな影響されています。結構言葉の使い方に影響されているのかなと思います。
 当時で3億くらい使ったという3枚目のキチガイ・アルバム『The Seeds of Love』も、いま聴くとプリンスの『Around the World in a Day』を越えている凄いサイケ・アルバムなんですけどね。
 元ニュー・オーダーのピーター・フックはティアーズ・フォー・フィアーズが『The Seeds of Love』を録音しているとき、同じようにピーター・ガブリエルのワールド・スタジオで録音していて、一緒にクラブ行ったそうです。そこで、シカゴ・ハウスを聴いて、ティアーズ・フォー・フィアーズの面々は「3億円使った俺たちの音よりも、10万くらいで作られたこっちのほうが感動する」ってすごく落ち込んでたよと言ってました。
 確かに3枚目はとんでもない音になっています。トーク・トークみたいにうまくコントロールできなかったと思います。いくとこまでいっちゃったなというアルバムです。そういう部分では聴く価値のあるアルバムかもしれません。いい曲たくさん入ってんですけどね。
 とにかくベスト盤でも聴いてください。Youtubeで、ベースのカート・スミスの“Mad World”のトップ・オブ・ザ・ポップスの踊りチェックしてください。あれが僕らが子供のころのニューウェイヴなダンスでした。後半間奏で、意味もなく、踊り出します。サマーソニックでも踊るのでしょうか? 楽しみです。

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