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Lonerism

『Lonerism』

Tame Impala

[label: Modular Interscope/2012]

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ELO・ミーツ・ジョン・レノン 今一番おもしろいサイケ・バンドか!?

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文:久保憲司

 今流行りのサイケ・バンドに入るんでしょうが、70年代ロックの匂いがプンプンしている所がいですね。それに色々おもしろいアイデアが味付けされている所がいいです。
 1曲目「Be Above It」のドラムは、ドラムにアナログ・ディレイをかますだけというポスト・パンクの時に流行ったチープな手法なんですが、そこにのるメロが、ウィングスやマーク・ボランな70年代のロック・メロというのが斬新です。
 2曲目「Endors Toi」もELOな仰々しいイントロからジョン・レノンなヴォーカルというのがヤバいです。ELOもビートルズの子供なんで、べつに不思議じゃないんですけど、あからさまにやられると、おっと思います。でも、ELOをあんまり聞いたことないんで、あんまり分からないんですが。ELOはこんな感じかなと。すいません適当で。何となくですが、ELOとかムーブな匂いがTame Impalaからぷんぷんしてますね。この頃ムーブ再評価あるんじゃないかなと思っているんですよ。ジェフ・リンは、ちゃんと聞かないといけないでしょうと思う今日この頃です。外国人のバンドもちゃんときづいているのかなと。
 3曲目「Apocalypse Dreams」のリンゴ・スターなオフ・ビートなドラムとか、これぞロックって感じがしていいです。
 4曲目「Mind Mischief」もジョン・レノンですね。今こうして聞くと70年代のメロウなロック・ヴォーカルって、ドラッグで、何でもいいよと投げやりになってた頃のジョンだったんだと思いますね。ジョンは本当に凄いですね。
 後はみなさん、自分できいてください。けっこういいですよね。若い人から、オッサンにまでアピールします。
 全体的にオーストラリアの血を弾いているのがいいんですかね。クラウデッド・ハウス、ビージーズ、INXS、ジェットとオーストラリアのバンドはメロディアスなんですよね。オリビア・ニュートン・ジョンな感じといいましょうか。移民の血がいい歌心を生ませるのでしょうか。
 Tame Impalaはこのアルバムで2枚目なんですけど、こんないいバンド見逃していたという感じです。日本のオッサンはこういうXTC、ジェリーフィッシュなバンドに弱いはずなのに、あんまり音楽聞いてないんですかね。1枚目もチェックしたいです。サマソニでも来日してたんですけど、今度こそ話題になったらいいですね。みんな広めよう。


1枚目: Innerspeaker

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