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スプリング・ブレイカーズ

『スプリング・ブレイカーズ』

監督:ハーモニー・コリン

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ハーモニー・コリンの新作マジいいすよ。

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文:久保憲司

 ハーモニー・コリンの新作『スプリング・ブレイカーズ』むちゃくちゃいいです。たけしさんの『アウトレイジ』よりリアルで、幻想的です。
 ヴァネッサ・ハジェンズ、セレナ・ゴメス、アシュリー・ベンソン、レイチェル・コリンというアメリカのホットな若手女優がエロカワビッチに撮られています。
 『ランナウェイズ』の撮影監督したBenoit Debbieのカメラがむちゃくちゃいいんです。Benoit Debbie、若い子撮らせたら最高ですね。映画界の米原康正さんですよ。アメリカ人にはこの感じ撮れないんですかね。ベルギー人と日本人の方がアメリカ人よりもエロカワを分かっている感じですね。やっぱ漫画とBDの国はいいですね。テリー・リチャードソンとは違う感じがいいです。女の子たちいつも水着ですけどね。爆笑です。ドラッギーな感じもいいです。
 でもカメラワークが『ランナウェイズ』の時よりも何倍もよく感じたのは、それはハーモニー・コリンと編集のDouglas Criseがいいんでしょうか。Douglas Criseは『バベル』以降いい作品に恵まれてなかったので、これで評価されるんでしょうか?。『バベル』の編集いいとは思わないですけど。Douglas Criseはスティーヴン・ソダーバーグの下で編集やってきたという感じでしょうか?。ちょっとソダーバーグな感じがよかったです。僕べつにソダーバーグ好きじゃないですけど。
 ギャング・スターを演じているのが、『スパイダーマン』のジェームズ・フランコで、演技の上手さに全員びっくりすると思います。日本の役者さんでここまでやれる人はいないですよね。日本人でここまで恐いギャングスターいないすもんね。海外には本当にこういうのがいるからな。
 これはコギャルの『テルマ・アンド・ルイーズ』です。
 「こんなクソみたいな世の中でやっていけるか」という感じが見事に描かれています。そして、途中に入る銃をロードする音などのノイズや未来の映像が挿入されたりして、彼女たちの未来がどうなるのかと不安にさせてくれます。
 この映画、アメリカの未来を予感している感じがしました。これからのアメリカは99%の人たちが暴走する感じがします。イラク、アフガニスタンで戦争してきたアメリカはもう戦争するお金もない。もしこのまま金持ちからお金をぶんどることを政府が出来ないとするなら、日本でレイプ事件を起すような貧しいアメリカの若者たちやこの映画の女の子たちはきっと、この映画のような爆発すると思う。
 この映画、日本でも撮れると思うんだけどな。松田優作さんの『野獣死すべし』ですよ。コギャルたちが警官を殺してピストルを奪って、銀行強盗をやっていく、みたいな話。

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