FEATURE

REVIEW

wonder wanderer

『wonder wanderer』

WONDER HEADZ

[label: BounDEE by SSNW/2014]

Amazon

wonder disco/cosmic headz

twitter facebook

text by 梅谷 裕貴

昨年のLIQUIDROOM 1マンを大成功のうちに収め、今や東京を代表するインストバンドとなったnabowa、出身こそ京都ではあるが彼らが描く世界には都会的な煌びやかさが常にある。
そのメンバーのうちBassの堀川達とDrums/Percussionの川上優によるサイドプロジェクト
「Wonder Headz」の1stアルバムが届いた。
緩急をつけながらぐいぐいと引っ張って行くnabowaのスタイルとは打って変わり、ミドルテンポ
を基調としたダンストラックをメインに据えた楽曲群はリズム隊の2人の関係性を良く表し
グルーブの海を描いているようだ。
オープニングトラックの「Maskers」は80’sディスコファンクの再構築のような趣だが今の耳で聞くとVaper Waveともとれるシティ加減とイタロ具合が気持ちよい。
4曲目の「One Make」までのラウンジ路線の流れから「Lamp」によってアルバムは世界を写し変えて行く。サインウェーブとゴングが織りなすニューエイジアンビエントなトラックから
「規正楽器を使わないアンサンブル」へのスピリチュアルなディープハウスへの流れはこのアルバムのハイライトであろう。bonoboのCirrusを想起させる流麗なトラックだ。
各ジャンルからの影響はもちろん感じるが抽出の仕方と転換が凄く巧く混ざり合っているため
トラックごとのカラーがはっきりと感じられる、それでいてポップにまとまるのは流石の一言としか言いようがない。ラストトラックである「LOVE」が唯一の歌ものというのもグッと来てしまう。
更にアルバムには3曲のリミックスが収録されているのだが、Crue-L総帥である瀧見憲司のBeing Borings、Altz、そしてPrins Thomasと超豪華メンツである。
特にAltzのヴァージョンは昨今のインターネットカルチャーと共振する部分も多く
独特の浮遊感をもったVaper Waveのような形へと変化しているのが面白い。
これは是非ライブでも見てみたいと思ってしまうが、実現する事を願います。

RECENT REVIEW

REVIEW TOP

RECENT REVIEW

REVIEW TOP